味噌の種類とそれぞれの違いは?種類別の使い方や正しい保存方法を紹介
スーパーの店頭では、さまざまな種類の味噌が並んでいます。これまで何気なく選んでいたものの、味噌にはどのような種類があるのか、それぞれどんな料理に使われるのか、疑問に思っている方もいるかもしれません。今回は味噌をテーマに、主な種類や種類ごとの違い、使い方、正しい保存方法を紹介します。
味噌の種類【原料・色・味】
味噌は非常に種類が豊富です。まずは味噌の種類について、原料・味・色に分けて、それぞれ違いや特徴を見ていきましょう。
原料(麹)による違い
味噌は大豆を煮るか蒸すかしたところに塩と麹を加え、発酵・熟成させて作る発酵食品です。麹とは穀物に麹菌を繁殖させたもので、味噌には米麹、麦麹、豆麹の3種類が使われます。このうち米麹を使った米味噌は最も一般的で、全国各地で生産されています。
麦麹を使った麦味噌は、中国地方以南でよく生産されている味噌です。麹の割合の多さや熟成期間の短さなどにより、甘みが強い味噌に仕上がります。豆麹を使った豆味噌は、東海地方でよく作られている味噌。熟成期間が長く、色が濃くて甘みが少ないのが特徴です。
麹味噌と一般的な米味噌との違いは何かと疑問に思う方もいるかもしれません。上記の通り、基本的に味噌作りには麹が使われます。中でも特に麹を多めに入れたり、こだわりの麹を使用したりしているものを麹味噌と名付ける場合が多いようです。また合わせ味噌とは、2種類以上の味噌を組み合わせたものです。自分でブレンドして、より好みに合った味噌を作ることもできます。
味による違い
味噌の味は大きく辛口と甘口に分けられます。辛さは塩の量によって、甘さは麹の割合によって変化します。パッケージなどに記載がある「麹歩合(こうじぶあい)」とは、大豆に対する麹の割合のこと。麹歩合が高いほど甘みが強くなります。
色による違い
原料にする大豆の種類や製造工程(煮るか蒸すか、麹の割合や熟成期間はどれくらいか)によって、味噌の色は変わります。主な種類は白味噌・淡色味噌(黄色っぽい山吹色)・赤味噌があり、熟成期間が長いほど濃い色に仕上がります。
白味噌はすっきりとした甘みが特徴で色が薄く、食材の色を活かした料理に合います。淡色味噌は白味噌より塩味が強くてやや色が濃く、幅広い料理に使われています。熟成期間が長い赤味噌は、色が濃くてコク深い味わいが特徴。食材の臭み消しにも使えます。
味噌以外にも、毎日の食事に取り入れたい発酵食品を紹介した記事はこちら。
「菌活」におすすめの発酵食品やきのこもチェックしてみましょう。
米味噌の種類
米味噌は幅広い地域で作られていますが、地域によって特徴が異なります。色や味など、それぞれの違いを見ていきましょう。
北海道味噌
北海道味噌は、その名の通り北海道で生まれた味噌です。北前船が寄港していた佐渡・新潟の影響を受け、赤味噌ベースで独自に発展を遂げてました。辛口でじっくりと熟成され、クセのない豊かな風味が特徴。北海道発祥の味噌ラーメン、郷土料理の石狩鍋や鮭のちゃんちゃん焼きなどに使われています。
仙台味噌
伊達藩を治めた戦国大名、伊達政宗が発展させたとされる仙台のご当地味噌。辛口の赤味噌で風味が豊かなのが特徴です。生でも食べられることから「なめ味噌」とも呼ばれています。調味料の他に、冷奴やお酒のおつまみのトッピングにも使われます。
江戸甘味噌
江戸中期に開発された甘口の赤味噌です。三河の八丁味噌と京都の白味噌を兼ね備えたような味と言われることも。米麹を多く使っているため甘みが強く、辛さは控えめでコク深い風味を持っています。サバの味噌煮や豚肉の味噌漬け、田楽味噌などによく使われ、肉魚料理によく合います。
信州味噌
信州味噌は、信州地方で作られている辛口の淡色味噌で、さっぱりした風味が特徴です。鎌倉時代に長野県の寺で作られたのが始まりとされています。戦国時代に入り、武田信玄が兵糧として活用したことで一気に広まりました。現在、日本国内で生産される味噌の約半分が信州味噌で、炒め物・汁物・煮物と幅広い料理に使われています。
越後味噌
越後味噌は、新潟で作られている辛口の赤味噌です。辛さの中にもコクがあり、麹の風味を感じられます。丸米を使っているため、味噌の中に米粒が浮いているように見えることから、浮麹味噌という呼び名も。塩味と甘みのバランスが良く、幅広い料理にマッチします。しょっから煮、けんさん焼き、のっぺい汁などの郷土料理はもちろん、キュウリなどの野菜につけて食べるのもおすすめです。
関西白味噌
関西白味噌は、関西地方で一般的に使われている白味噌。大豆の倍量の麹を加えているので、甘みが強いのが特徴です。皮を取り除いた大豆を煮て短期熟成することで、クリーム色の滑らかな味噌ができあがります。京風の雑煮や田楽には、この白味噌が欠かせません。白味噌を使った味噌床に魚や肉を漬け込む「西京漬け」や、さらにそれを焼いて食べる「西京焼き」も有名です。
なお、関西白味噌と西京味噌の材料や製法に大きな違いはありません。ただし西京味噌とは、京都府味噌工業協同組合の定める厳しい規定をクリアした味噌だけが記載できる名称です。
麦味噌の種類
続いて紹介するのは麦味噌です。農家で自家用に作られることが多かったため、田舎味噌とも呼ばれます。
瀬戸内麦味噌
瀬戸内麦味噌は、主に愛媛県・山口県・広島県で作られる辛口の淡色味噌。麹歩合が高く、甘みもあります。瀬戸内海沿岸で古くから製塩やはだか麦の生産が盛んであったことなどから、瀬戸内麦味噌の製造につながりました。佐妻汁、いとこ煮、牡蠣土手鍋などにおすすめです。
薩摩麦味噌
薩摩味噌とも言われる、鹿児島県や熊本県で主に作られている甘口の淡色味噌です。大豆と同量程度の麦が使われ、麦の粒が残っているのも特徴。鹿児島の郷土料理として知られる薩摩汁、豚味噌などに使われます。
九州麦味噌
九州地方全域でおなじみの麦味噌です。九州はその昔、米が獲れにくく麦栽培の方が盛んで、味噌にも麦が使われたことから麦味噌が主流となりました。色は白か淡色、甘口が主流ですが、北部では辛口もあります。汁物・和え物・焼き物・味噌漬けなどさまざまな料理にぴったり。九州の郷土料理であるもつ鍋や冷や汁などに使うと、本格的な味が楽しめます。
豆味噌の種類
最後に紹介するのは豆味噌。豆味噌が主に生産されているのは東海地方です。
東海豆味噌
東海豆味噌は、東海地方でよく用いられる辛口の赤味噌です。赤褐色の濃い色や、豆の強い風味が特徴。愛知の八丁味噌なども豆味噌の一種です。煮込んでも風味が飛びにくいため、煮込み料理によく使われます。名古屋の味噌おでんや味噌煮込みうどんなどのグルメは有名です。
味噌の正しい保存方法
味噌は時間の経過や温度の影響により、徐々に色や風味が変化していきます。正しい方法で保存して変化をゆるやかにすることで、おいしい状態のまま長持ちさせられるでしょう。
冷蔵庫か冷凍庫で保存する
開封後の味噌は常温で保存すると品質が劣化しやすくなるため、低温での保存が基本です。未開封であれば、高温多湿・直射日光を避け常温保存が可能とされています。ただし、大豆由来のアミノ酸と米(麦)由来の糖が反応を起こすため、未開封であっても徐々に色や風味が変化していきます。本来の色や風味をなるべく保ちたいのであれば、冷蔵庫か冷凍庫で保存しましょう。なお、冷凍庫に入れても味噌は凍りません。
開封後はできる限り空気に触れないように保存する
味噌が空気に触れると酸化が進むため、できる限り空気に触れさせずに保存することも大切です。開封後は商品付属のシートやラップなどで味噌の表面を覆えば、乾燥や酸化を防げます。
味噌の種類を知って日々の料理に活かしてみよう
味噌は種類によって原料や色、風味もさまざま。それぞれの特徴を活かして料理に取り入れると、より味わいを楽しめます。正しい方法で保存して、おいしい状態をできる限り長持ちさせましょう。
味噌を購入するなら、近所のスーパーのチラシが見られるShufoo!(シュフー)でお得な情報をゲット。シュフーチラシアプリでは、味噌を使ったレシピも検索できるほか、チラシを見て貯めたポイントで豪華賞品が当たる懸賞に応募できます。
味噌と同じく醤油にも多くの種類があり、料理に合わせたおすすめの使い方があります。こちらの記事もぜひ参考にしてみましょう。