ぬか床の作り方│おいしいぬか漬けを作るコツ、ぬか床をダメにしないお手入れ方法
おいしいぬか漬けを作るには、ぬか床の作り方や管理が肝心!ぬか床作りの手順や、野菜を漬ける前にぬか床の状態を安定させる「捨て漬け」の方法、野菜の漬け方などを解説します。ぬか床の保存方法、かき混ぜる頻度、入れると美味しくなる物、そしてぬか床初心者向けのQ&Aも紹介しますので、参考にしてみてください。
- ぬか床の作り方
- 準備する物
- 基本の作り方
- 捨て漬けの方法
- 捨て漬けが終わったら野菜を漬けてみよう
- 野菜の下処理
- 定番野菜の漬けこみ時間
- ぬか床の保存方法
- 常温保存と冷蔵保存、どちらが良い?
- 常温保存の方法
- 冷蔵保存の方法
- ぬか床の手入れ
- 定期的にかき混ぜ、ぬかの状態をチェックする
- ぬかの状態や味によって塩やぬかを足す
- ぬか床初心者によくある質問3つ
- 1. ぬか床に入れるとおいしくなる物は何?
- 2. 長期間家を空けるときは、どう手入れをすれば良い?
- 3. ぬか床の表面が白くなっているのはなぜ?
- ぬか床で漬けるとおいしい野菜
- キュウリ
- カブ
- ニンジン
- アボカド
- ぬか床で漬けるとおいしい変わり種食材
- ゆで卵
- 豆腐
- ぬか床の作り方を知り、ぬか漬けを楽しもう
ぬか床の作り方
ぬか床作りに必要な基本の材料は、ぬか・水・塩・乾燥昆布・赤唐辛子の5つ。これらをしっかり混ぜ、「捨て漬け」をして野菜を漬ける準備をしていきましょう。ぬか床作りの手順やポイント、捨て漬けの方法について解説します。
準備する物
まずは食材と道具を準備します。以下の材料の他に、ぬか床に入れると旨みがアップする物は後述します。
<準備する物>
・ぬか 1kg
・水 1L
・塩 130g
・乾燥昆布 1枚
・赤唐辛子 1〜3本
・鍋
・ぬか床の容器(プラスチック・ホーロー・陶器・ガラスなどで作られた、ふた付きの物)
・捨て漬け用の野菜 100g
・ぬか 1kg
・水 1L
・塩 130g
・乾燥昆布 1枚
・赤唐辛子 1〜3本
・鍋
・ぬか床の容器(プラスチック・ホーロー・陶器・ガラスなどで作られた、ふた付きの物)
・捨て漬け用の野菜 100g
※捨て漬け:ぬか床の状態を安定させるため、最初に野菜を漬けること。この行程により乳酸発酵が進み、ぬか漬け特有の酸味が生まれます。また野菜から水分が出て、塩味もまろやかに。捨て漬けした野菜は食べられますが、塩辛いので捨てるのが一般的です。処分する場合を想定して、野菜のヘタや切り落とし部分など、普段から捨てているところの使用をおすすめします。
基本の作り方
続いて、ぬか床を作るときの手順を見ていきましょう。
<手順>
1. 鍋に水を入れて沸騰させたら、火を止め昆布と塩を加える。塩はしっかり溶かす
2. ぬかを容器に入れ、冷ました1. も加える
3. ここで赤唐辛子も入れて、全体に水分がなじむよう、味噌ほどの硬さになるまでかき混ぜる
4. 1. で使用した昆布も容器に入れる
5. ぬか床を作り終わったら、用意した捨て漬け用の野菜を漬ける
6. 下から返すように混ぜながら入れ込み、最後にぬかの空気を抜くように押し込む
1. 鍋に水を入れて沸騰させたら、火を止め昆布と塩を加える。塩はしっかり溶かす
2. ぬかを容器に入れ、冷ました1. も加える
3. ここで赤唐辛子も入れて、全体に水分がなじむよう、味噌ほどの硬さになるまでかき混ぜる
4. 1. で使用した昆布も容器に入れる
5. ぬか床を作り終わったら、用意した捨て漬け用の野菜を漬ける
6. 下から返すように混ぜながら入れ込み、最後にぬかの空気を抜くように押し込む
捨て漬けの方法
捨て漬け用の野菜は3日前後ぬか床に置き、しんなりしたら入れ替えます。捨て漬け期間である20日間は、こまめにかき混ぜて発酵を促すのがポイントです。
1~10日目:1日に2回かき混ぜる
11~20日目:1日に1回かき混ぜる
11~20日目:1日に1回かき混ぜる
捨て漬けが完了したら、ぬか床のやわらかさや味を確認しておき、今後その状態を保てるよう覚えておきましょう。
捨て漬けが終わったら野菜を漬けてみよう
捨て漬けが終わったら、好きな野菜を漬けてみましょう。野菜の下処理や、定番野菜の漬けこみ時間を紹介します。
野菜の下処理
どんな種類の野菜もぬか漬けにできるので、ぜひ好みに合わせて選んでください。
野菜は水洗いして、漬かりが早くなるよう軽く塩もみし、水分を抜いてから漬けましょう。根菜は皮をむいた方が、より早く漬かります。
野菜は水洗いして、漬かりが早くなるよう軽く塩もみし、水分を抜いてから漬けましょう。根菜は皮をむいた方が、より早く漬かります。
定番野菜の漬けこみ時間
漬け込む時間は野菜の種類、ぬか床の保管方法、季節などによって変わります。ここでは冷蔵庫で保存のぬか床で漬ける場合の漬け込み時間を紹介するので、目安としてください。
<漬け込み時間一覧>
・キュウリ 8〜15時間
・ナス 10〜24時間
・ダイコン 20〜30時間
・ハクサイ 12〜24時間
※常温保存なら、これよりも短時間で漬かります。
・キュウリ 8〜15時間
・ナス 10〜24時間
・ダイコン 20〜30時間
・ハクサイ 12〜24時間
※常温保存なら、これよりも短時間で漬かります。
野菜から自分で作りたいという方は、家庭菜園についての記事もぜひチェックしてみてください。
ぬか床の保存方法
ぬか床は冷蔵庫のない時代からある保存食で、常温保存が基本です。ただし、管理のしやすさから冷蔵庫保存をする方もいます。どちらにもメリットがあるので、自分が管理しやすい方法を選びましょう。
常温保存と冷蔵保存、どちらが良い?
常温保存と冷蔵保存のどちらにもメリット・デメリットがあります。作ったばかりのぬか床は熟成が進んでいないため、乳酸菌発酵がしづらくなる冷蔵保存は避けるのが無難。捨て漬けが終わるまでは常温保存をしましょう。
メリット | デメリット | |
常温保存 | ・大きな容器で作れる ・菌の活動が活発になり、早く漬かる
|
・夏場は温度が上がり発酵が進みやすく、菌が増えすぎないように毎日かき混ぜる必要がある ・雑菌が繁殖しやすい
|
冷蔵保存 | ・菌の活動がゆるやかなため、かき混ぜる回数を減らせる ・雑菌が繁殖しにくい
・取り出して、すぐ冷たい状態で食べられる
|
・大きな容器は入れづらい ・浸かるまでに時間がかかる
|
常温保存の方法
常温保存の場合は、ぬか床の発酵に適した温度である25℃前後を保ちやすい、比較的涼しい場所で保存するのが基本です。常温では菌の活動が活発になるため、発酵が進みすぎないよう、野菜を漬けていないときでも毎日かき混ぜましょう。適度に空気を入れることで、菌が増えすぎるのを防げます。
冷蔵保存の方法
冷蔵保存したぬか床の菌は活動がゆるやかなため、3日に1回ほどの頻度でかき混ぜましょう。また1週間に1回は冷蔵庫から出して室温に3時間以上置くと、菌が適度に活性化し、おいしい状態を保ちやすくなります。
ぬか床の手入れ
ぬか床を長期間使い続けるには、定期的な手入れが必要です。お手入れの方法やコツをチェックして、良い状態をキープしましょう。
定期的にかき混ぜ、ぬかの状態をチェックする
ぬか床は、かき混ぜて空気を取り込むことで菌の活動が活発になります。前述の通り、保存方法に合った頻度でかき混ぜましょう。
<手順>
1. 容器の隅から上下を返すようにかき混ぜる
2. 表面を平らにならし、上から軽く押さえて中の空気を抜く
3. カビなどの原因になる、容器のフタ・フチに付いたぬかを取り除く
1. 容器の隅から上下を返すようにかき混ぜる
2. 表面を平らにならし、上から軽く押さえて中の空気を抜く
3. カビなどの原因になる、容器のフタ・フチに付いたぬかを取り除く
かき混ぜながら、ぬかの状態チェックも行います。ぬかの中の菌のバランスによって、作りたての頃に比べて塩分が足りなかったり、水っぽくなったりする場合があるので、その際は下記を参考に対策してみてください。
ぬかの状態や味によって塩やぬかを足す
野菜を漬けていると、野菜の水分がぬかに吸収され、同時に塩分は抜けていきます。また、ぬかが水っぽくなると雑菌が増えやすくなり、全体の菌のバランスが変わるという問題も。ぬかの状態を見て、適切なお手入れをしましょう。
<ぬかの状態別お手入れ方法>
ぬかの状態 | お手入れ方法 |
水っぽい・ゆるい | ・足しぬかをする ・清潔なキッチンペーパーなどで水分を抜く
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塩分が足りない | ・足しぬかをするときに10%ほどの塩を加える ・野菜を入れるときに塩を塗ってから入れる
|
酸っぱい | ・乳酸菌が増えているので、しっかりかき混ぜる ・冷蔵庫に入れて、菌の活動を抑える
|
酸味が弱い | ・乳酸菌が少なくなっている場合があるので、かき混ぜる頻度を減らす ・野菜をたくさん漬ける
|
ぬか床初心者によくある質問3つ
ぬか床を初めて漬けるとき、よく挙がる質問を紹介します。失敗しないため、よりおいしくするためのヒントとして参考にしてみてください。
1. ぬか床に入れるとおいしくなる物は何?
ぬか床に乾燥昆布や干し椎茸、煮干し、鰹節などを足すと、ぬか漬けに旨みをプラスできます。
<ぬか床に旨み成分を足してくれる食材>
・乾燥昆布:旨みが強く、香りやクセが少ないので手軽に扱える。ぬか床に入れていると、ぬるぬるする場合があるが、これはフコイダンという水溶性食物繊維なので体に害はない。
・煮干し・鰹節:動物性の旨みがある。ただし入れる量によって、ぬか床が臭くなる可能性もあるため注意。
・干し椎茸:旨みと香りをプラスする。入れすぎると過剰に香るので注意。
・乾燥昆布:旨みが強く、香りやクセが少ないので手軽に扱える。ぬか床に入れていると、ぬるぬるする場合があるが、これはフコイダンという水溶性食物繊維なので体に害はない。
・煮干し・鰹節:動物性の旨みがある。ただし入れる量によって、ぬか床が臭くなる可能性もあるため注意。
・干し椎茸:旨みと香りをプラスする。入れすぎると過剰に香るので注意。
どの食材も、手作りだけではなく市販のぬか床にも使えます。
2. 長期間家を空けるときは、どう手入れをすれば良い?
長期間家を空ける日や、ぬか漬けを食べるのを休みたいときは、野菜を漬けずに冷蔵庫で保管しましょう。1週間以上ぬか床を触らない場合は雑菌が繁殖しないよう、野菜を取り出し塩を多めに混ぜて、表面に「ぬか3:塩1」を混ぜた物を敷き、その上に塩をまきます。
ぬか床を復活させる際はよく混ぜ、塩分量を調節するために捨て漬けをしてから使い始めるのがおすすめです。
3. ぬか床の表面が白くなっているのはなぜ?
ぬか床の表面に現れる白い物は、産膜酵母という酵母菌の一種です。産膜酵母は、味噌や梅干しの表面にも生じ、口にしても体に害はありません。気になる場合は表面を取り除いて食塩をプラスし、上下を返すようによく混ぜて、なじませましょう。
ぬか床で漬けるとおいしい野菜
ぬか漬けにおすすめの野菜の、下ごしらえと漬け込み時間の目安を紹介します。早く漬けたいときは材料を小さくカットし、常温保存するのがコツです。
キュウリ
ぬか漬けの定番野菜といえば、やはりキュウリ。さっと水で洗って両端を切り落としたら、塩を薄く振りかけて、手で全体になじませましょう。
キュウリの栄養や、新鮮なものの見分け方を紹介した記事はこちら。
◆漬ける時間
・冷蔵庫なら:12時間
・常温なら:5時間
・冷蔵庫なら:12時間
・常温なら:5時間
カブ
カブはよく洗って葉を落とし、四つ切りにしてからぬか床に漬けます。皮が付いているかで漬かり方が違うため、浅漬けが好きな場合は皮付きで、しっかりめの味が好きなら皮をむいてから漬けるのがおすすめです。
◆漬ける時間
・冷蔵庫なら1日
・常温なら12時間
・冷蔵庫なら1日
・常温なら12時間
カブは葉にも栄養が豊富に含まれています。おいしい食べ方やレシピをチェックしましょう。
ニンジン
ニンジンは、しっかり洗って頭とヘタを切り落とし、4〜6等分にして漬けます。水分が少ないニンジンは小さめに切り、ぬかと接する面を増やして漬けるのがポイントです。
◆漬ける時間
・冷蔵庫なら1日
・常温なら12時間
・冷蔵庫なら1日
・常温なら12時間
ニンジンがたくさんある時は、沖縄の郷土料理「にんじんしりしり」で大量消費するのもおすすめです。
アボカド
とろっとした食感がおいしい、アボカドのぬか漬けはいかがでしょうか。作る際は半分に切り、種を取り除いてから漬けます。やわらかいと形が崩れやすいため、なるべく硬い物を選ぶのがおすすめです。
◆漬ける時間
・冷蔵庫なら1日
・常温なら12時間
・冷蔵庫なら1日
・常温なら12時間
こちらの記事では、料理研究家に聞いたアボカドの選び方やアレンジレシピを紹介しています。
ぬか床で漬けるとおいしい変わり種食材
野菜以外の食材をぬか床に漬けてみると、新しい味の発見があるかもしれません。ここでは、変わり種になる食材を紹介します。
ゆで卵
ゆで卵をぬか床に漬ければ、ぬかの芳醇な香りが楽しめる一品に。ゆで卵は固ゆでにして、冷水などに漬けて冷ましてから殻をむき、周りの水分を拭き取ってからぬか床に入れましょう。冷蔵庫で2日、常温で1日漬ければ完成です。5日以上漬けると卵が崩れやすくなるので、漬けすぎには注意してください。
ゆで卵のゆで時間が気になる方は、こちらの記事をチェックしてみましょう。
豆腐
水切りした木綿豆腐をぬか漬けにすると、コクのあるチーズに似た味わいに仕上がります。崩れないようにキッチンペーパーで包み、常温で1日、冷蔵庫で2日漬けます。しっかり水切りをするのがコツです。おつまみにもおすすめです。
豆腐の水切り方法は、以下の記事を参考にしてみてください。
ぬか床の作り方を知り、ぬか漬けを楽しもう
自分で漬けたぬか漬けの味わいは格別です。今回紹介したぬか床のお手入れ方法、食材の漬け方を参考にしながら、おいしいぬか漬け作りにチャレンジしてみませんか?いろいろな野菜や食材を試して、我が家の味を作り上げてください。
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