人気のチーズ│種類ごとの風味や特徴・おいしい食べ方は?選び方も紹介
料理やおやつ・おつまみとして、さまざまな楽しみ方ができるチーズ。世界には1,000種類を超えるチーズがあるといわれていますが、それぞれの違いや詳しい特徴は案外知らないかもしれません。そこで、特に人気のチーズや種類ごとの特徴をまとめました。選び方も紹介するので、購入時の参考にしてみてください。
チーズは2種類に分けられる
チーズは大きく「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに分類されます。製造方法は次のような違いがあります。
乳酸菌や酵素が存在する「ナチュラルチーズ」
ナチュラルチーズは乳酸菌を凝乳(ぎょうにゅう)酵素で凝固させ、製造過程で出てくるホエイ(乳清)という液体の一部を除去して作られます。生きた乳酸菌や酵素がチーズの中に存在するため、時間の経過とともに熟成していくのが特徴です。乳酸菌の種類や量、熟成させる際に使うカビの種類などより、異なる特徴を持ったナチュラルチーズができます。
ヨーグルトの表面にたまる水分もホエイです。タンパク質たっぷりのホエイ活用術を紹介した記事も参考にしてください。
加工して作られるのが「プロセスチーズ」
プロセスチーズは、ナチュラルチーズに乳化剤などを加えて溶かし、再び成形して作られます。製造過程で加熱処理をするため、乳酸菌や酵素は死滅しています。保存中に熟成しないため、ナチュラルチーズよりも保存性に優れているのが特徴です。
ナチュラルチーズの種類
ここからはモッツァレラチーズやクリームチーズ、ゴルゴンゾーラなどのナチュラルチーズを種類ごとに見ていきましょう。原料や製造方法によりそれぞれに特徴や味わいが異なります。
フレッシュタイプ
乳に乳酸菌や酵素を入れて固め、水分を抜いたチーズです。熟成させず鮮度の高い状態で食べるのがおいしいとされているため、購入後は早めに食べ切るのがおすすめです。
種類 | 特徴 |
モッツァレラチーズ | 餅のように白くて丸い形。現在は牛乳から作られたものが主流 |
マスカルポーネチーズ | 乳を固めて水分を抜いただけのもの。色は白く酸味や塩分が少なく食べやすい |
ブッラータチーズ | 袋状にしたモッツァレラチーズの中にモッツァレラチーズと生クリームを入れて作られる。クリーミーで濃厚な味わい |
クリームチーズ | 白くやわらかくきめが細かい。なめらかな舌触りで濃厚な味わい |
カッテージチーズ | 脱脂乳などが原料。クセのない軽い風味 |
リコッタチーズ | 豆腐のような見た目でホロホロとした食感 |
ハードタイプ
水分が少なめで、熟成期間が長く長期保存できるのが特徴です。水分を抜くために「カード」と呼ばれる乳の中のタンパク質が固まったものを圧搾して作られます。
種類 | 特徴 |
ラクレットチーズ | 表面が茶褐色でやや湿り気がある。マイルドな味 |
ミモレットチーズ | 中がオレンジ色で丸い形。新鮮なうちはやわらかく、熟成が進むと硬く濃厚な味わいになる |
エメンタールチーズ | スイスの代表的なチーズ。チーズフォンデュなどに使われる |
パルミジャーノ・レッジャーノ | 直径35cmを超える大きなチーズ。ジャリジャリとした食感 |
チェダーチーズ | 世界で最も生産量の多いチーズ。クセが少なく食べやすい |
セミハードタイプ
水分を38~46%まで抜いた比較的硬めのチーズです。ハードタイプよりも少しだけ水分が多いのが特徴。クセがなく食べやすい種類が多くあります。
種類 | 特徴 |
ゴーダチーズ | 表面がロウでコーティングされている。熟成期間が長くなるほど味わいが凝縮する |
マリボーチーズ | 弾力があり、加熱するとよく伸びる。穏やかな風味で酸味も感じられる |
青カビタイプ
中に青カビを繁殖させたチーズです。乳を固めて水を切り、青カビをまぶして作られます。強烈な風味を持ち、味も濃厚なものが多いのが特徴です。以下の3つは「世界三大ブルーチーズ」として知られています。
種類 | 特徴 |
ゴルゴンゾーラチーズ | 全体的に青カビが入ったチーズ。表面はざらっとして湿っている。まろやかな口当たり |
ロックフォールチーズ | 大理石模様のように青カビが入ったチーズ。コクのある味わい |
スティルトンチーズ | 白いチーズに青カビがマーブル模様で入っている。ピリッとした刺激の中にクリーミーな味わい |
白カビタイプ
表面に白いカビを繁殖させたチーズです。内部は白やクリーム色で、熟成が進むとやわらかくなり茶褐色の斑点が出現します。
種類 | 特徴 |
カマンベールチーズ | 軟質チーズの表面に白カビをつけたもの。クセのない味わい |
ブリーチーズ | カマンベールのもととなるチーズ。脂肪分が高めで濃厚な味わい |
ウォッシュタイプ
表面を塩水や酒で洗いながら熟成させたチーズです。製造過程で表面に「リネンス菌」と呼ばれる菌を繁殖させます。独特の風味と香りは、このリネンス菌によるものです。
種類 | 特徴 |
タレッジョ | 表面はオレンジ〜赤茶色で粘り気がある。マイルドな味わいだが、熟成が進むと旨みが深くなる |
ピエ・ダングロワ | 明るめの肌色で細かく平行に溝が入っている。クセのないクリーミーな味わい |
エポワス | 表面はオレンジがかった色味で少しシワが寄っている。味わいはクリーミー |
シェーブルタイプ
ヤギの乳で作られたチーズ。やわらかくて崩れやすく、加熱しても溶け出さないのが特徴です。
種類 | 特徴 |
ヴァランセ | 表面がグレーがかった四角錐のユニークなチーズ。コクのある濃厚な味わい |
セル・シュール・シェル | 丸くて平たい形。きめ細かく繊細な口当たり。ほどよい酸味がある |
プリニー・サン・ピエール | 背の高いピラミッド型のチーズ。熟成が進むとヤギ特有の風味を感じる |
プロセスチーズの種類
次に、スライスチーズやスモークチーズなどプロセスチーズの種類を紹介します。ナチュラルチーズを加工して作るプロセスチーズは、クセがない味わいで種類も豊富。以下のほとんどがスーパーで手に入ります。
スモークチーズ
プロセスチーズを燻製にしたもの。燻製にすることで独特の香りと風味が加わります。ブロックや個包装で売られていることが多く、お酒のおつまみとしても人気です。
スライスタイプ
サンドイッチなどに使われる、板状にスライスされたチーズ。使い勝手が良く、あらゆる料理に活用できます。ハンバーガーに使われるような、加熱することでとろけるタイプのものもあります。
個包装タイプ
6Pや8Pチーズ、キャンディーチーズなど、個別に包装されたタイプです。セミハードチーズを加熱して乳化剤を加え、溶かしてさまざまな形に成形して作られます。味の種類が豊富で、かつ個包装なので持ち運びしやすいのが特徴です。
ブロックタイプ
長方形の塊で売られているタイプのプロセスチーズです。好きな分だけカットできるものと、あらかじめカットされたタイプがあります。他のチーズと比べると安価なものが多いのが特徴です。
チーズの選び方
チーズは種類によって個性がさまざまですが、料理やドリンクと合わせたり、調理方法によって適した種類を選んだりするとよりおいしく味わえます。原材乳にこだわって食べ比べてみるのもおすすめです。
料理・ドリンクに合わせて選ぶ
チーズはさまざまな料理やドリンクに合いますが、種類によって、さらに合う組み合わせがあるとされています。主な例は以下の通りです。
種類 | 相性の良い料理・ドリンク |
モッツァレラチーズ | サラダ、ピザ |
パルメザンチーズ | パスタ、リゾット |
ゴーダチーズ | ハンバーガー、チーズフォンデュ |
チェダーチーズ | グラタン |
ドリンクと合わせる際は、ドリンクに似た特徴を持ったチーズを選ぶのがおすすめです。例えばウイスキーなどコクのある重めのドリンクには、香りやクセのあるスモークチーズや青カビ系のチーズを。軽めで飲みやすいドリンクには、フレッシュタイプのモッツァレラチーズなどが合うとされています。チーズとワインを合わせるなら、産地が同じ、もしくは近いものを選ぶと好相性です。
調理方法で選ぶ
調理方法でチーズを選ぶ方法もあります。そのまま食べるならフレッシュタイプがおすすめです。やわらかくホロホロとした形状なので、パンやクラッカーと食べたり、ディップソースとして使ったりと楽しめます。ブルーチーズはそのまま食べても、パスタやサラダなどのアクセントに使っても良いでしょう。加熱調理にはハードタイプやセミハードタイプのチーズが適しています。
原料乳で選ぶ
チーズの原材乳には牛乳や羊乳、山羊乳、水牛乳などがあり、原料乳によってチーズの風味や味わいが変わります。
クセが少なくて万人受けしやすいのは牛乳で作られたチーズといえるでしょう。山羊乳で作られたチーズはさっぱりとした酸味を感じられ、羊乳で作られたチーズは濃厚でこってり。水牛乳で作られたチーズは、ミルキーな甘さを感じられます。それぞれが持つ個性の違いを食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。
チーズの人気種類を知ってもっと楽しもう
チーズは大きくナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられ、種類が豊富にあります。自分好みのチーズを見つけて、料理で使ってみたり、外食時に選んでみたりして楽しんでください。
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チーズ以外にも、納豆や漬物など身近な発酵食品を紹介した記事も参考にしてみてください。