ハレの日の意味とは?季節別の代表的な行事と過ごし方を紹介
「ハレの日」とは年中行事やお祭りを行う日のことです。日本に古くから伝わるもので、それぞれに特別な意味や過ごし方が存在します。ハレの日には節句や冠婚葬祭、入学式、結婚式など人生における特別な日が含まれていて、行事によっては祝日と重なることも。ハレの日とは何か、季節ごとに代表的な行事や過ごし方、行事食を紹介します。
ハレの日とは?祝日との違いも解説
ハレの日の「ハレ」とは古くから日本に伝わる言葉で、また日常を表す「ケ」という言葉もあります。「ハレとケ」についてや、ハレの日と祝日の違いを解説します。
ハレの日とは
日本人は昔から、お祭りや行事の日を「ハレ」、普段の日を「ケ」と呼び使い分けて来ました。ハレの日にはお正月やひな祭り、お盆や冠婚葬祭などがあります。それぞれの行事ごとに意味や行事食があるのが特徴です。ハレは「晴れ」とも書き、行事によっては晴れ着を着ることもあります。
「ケ」とは
ハレの対極にある「ケ」とは、普段通りの日常のこと。漢字では「褻」と書きます。ケの日の食事は一汁一菜が基本でした。ケの日が続くと気力が枯れ、病気につながるとされていました。そのため非日常的なお祭りや行事をするハレの日には、元気を取り戻す役割があります。
ハレの日と祝日との違い
ハレの日は主に古くから伝わる行事であるのに対し、祝日は昭和に入ってから政府が決めた日のことです。美しい風習を育てることや、より豊かな生活を築くことを目的として定められました。ハレの日と一部の祝日は重なることもあります。
代表的なハレの日一覧【春】
春の代表的なハレの日である、ひな祭りやこどもの日。桜の下でお弁当を食べるお花見も、古くから伝わる行事です。
桃の節句
ひな祭りを行う3月3日の桃の節句。古代中国では奇数が重なるこの日にお祓いをしました。日本では平安時代に取り入れられています。紙やワラなどで人をかたどった人形(ひとがた)に自分の厄災を移す習わしや、貴族の子女の間で広まった人形遊びが結びついて、こどもの成長を願う行事になったとされています。
本来は男女の区別がない行事でしたが、徐々に女の子のお祭りとして定着します。江戸時代には「五節句」のひとつとして祝祭日になりました。ひな人形を飾り、こどもの健康を願います。
行事食はちらし寿司やハマグリのお吸い物などです。ちらし寿司には長寿や健康の祈願、ハマグリのお吸い物には2枚の貝が重なることから「よいパートナーと巡り合えるように」という意味があります。
お花見
お花見の由来は諸説ありますが、平安時代の貴族が桜を見ながら歌を詠んだ行事が始まりとされています。のちに農民にも広まり、江戸時代には庶民のハレの日として定着。現代まで続く、桜の下でお弁当を食べて楽しむ習慣はこの頃根付いたといわれています。
端午の節句
男の子の成長を願う5月5日の端午の節句。もともと中国で菖蒲を飾り邪気を払う行事が日本に伝わり、戦国時代に男の子の武運や成長を願うものになりました。
1948年にこどもの日として祝日に制定されています。こどもの成長を祈る五月人形や、出世を願う鯉のぼりを飾りお祝いします。餅を笹の葉で包んだ粽(ちまき)や、子孫繁栄の意味を込めた柏餅が行事食です。菖蒲を浮かべた湯に入浴する風習もあります。
こどもの日のメニューについて詳しくはこちらをチェック!
代表的なハレの日一覧【夏】
夏のハレの日には、七夕やお盆が挙げられます。またウナギを食べる風習でも知られるのが土用の丑の日。暦の上では各季節にありますが、夏のみ祝うのが一般的です。
七夕
七夕は7月7日に、笹の葉に短冊や飾りを下げて願い事をする行事です。中国の七夕伝説や、日本の豊作祈願の行事などが元となったとされています。行事食としてはそうめんやちらし寿司の他、笹かまぼこや笹団子など、笹にちなんだものを食べる地域もあります。
そうめんを食べるようになった由来は、中国の索餅(さくべい)という食べ物です。中国由来の小麦粉をひねって揚げたお菓子で、無病息災を祈って食べられます。そうめんは索餅に形が似ているとして食べるようになったとされています。
七夕の由来や食べ物についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
土用の丑の日
土用の丑の日も伝統的なハレの日のひとつです。土用は「立春・立夏・立秋・立冬」の前の約18日間のことを指し、丑の日は十二支の丑のこと。土用の期間に来る丑の日を、土用の丑の日と呼びます。
土用の丑の日は年に何度もありますが、一般的には夏の土用にある丑の日のことです。季節の変わり目に、丑の日にちなんで「う」がつく食べ物を食べると元気に過ごせるとされています。江戸時代にはウナギを食べる習慣が定着しました。
土用の丑の日の意味や風習についてはこちらの記事でも解説しています。
お盆
お盆はもともと仏教行事である「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の略称です。お釈迦様の弟子が、母を救うために供養した話に由来しています。お盆の期間は8月13~16日が一般的ですが、7月や9月に行う地域もあります。
キュウリやナスで作ったお盆飾りや、お盆提灯を準備して、戻ってくるご先祖様をもてなす行事です。先祖供養のためにお墓参りをしたり、迎え火を焚いたりする場合もあります。
代表的なハレの日一覧【秋】
秋には月を眺める十五夜や、こどもの成長を祝う七五三があります。春と秋にあるお彼岸もハレの日のひとつです。
お彼岸
お彼岸は春と秋にある仏教行事です。期間は春分の日と秋分の日の前後3日間で、毎年日付が変わります。お墓参りや仏壇の掃除をして先祖供養をします。お墓や仏壇には季節の花に加え、春彼岸にはぼた餅、秋彼岸にはおはぎをお供えする習わしです。
秋分の日に食べるものについてはこちらの記事も参照してみてください。
十五夜
十五夜は秋に限らず旧暦15日の夜すべてのこと。1年で最も美しく見える中秋(旧暦の8月15日)の月を十五夜とするのが一般的です。旧暦の8月15日は毎年日付が変わり、9~10月上旬の間にやって来ます。お月見団子やススキ、旬の果物などを飾り、月を鑑賞します。
十五夜の由来や過ごし方についてはこちらの記事でも解説しています。
七五三
七五三は子どもの成長を祝う行事です。3歳、5歳、7歳のときに神社や寺へ参拝して、無事成長したことへの感謝の気持ちを伝えます。平安から鎌倉時代にかけての行事が由来とされ、3歳になるまで頭髪を剃ったり、5歳になると袴を着せたりする風習がありました。特に行事食はありませんが、鯛やエビなど縁起のよいものを食べることが多いでしょう。
現代における七五三のお祝いの仕方についてはこちらの記事で解説しています。
代表的なハレの日一覧【冬】
冬のハレの日と言えばお正月や節分があります。それぞれの意味や過ごし方を見ていきましょう。
お正月
お正月とは年神様をお迎えするための行事。本来は1月すべてをお正月と呼びますが、現代では1月7日もしくは15日までとするのが一般的です。福をもたらす年神様を迎えるために、お正月飾りやおせち料理を準備します。
お正月飾りには年神様への目印となる門松や、年神様が宿る場所となる鏡餅などがあります。おせち料理は1年の健康と幸せを願い、縁起物を重箱に入れる行事食です。
お正月にお供えした鏡餅が余ったときは、こんな方法で活用してみては?
節分
節分とは本来「立春、立夏、立秋、立冬」の前日のことで、年に4回あります。現代では春の節分をハレの日とし、季節の変わり目に邪気を払うための行事です。無病息災を願って大豆をまき、自分の年齢より1個多く豆を食べます。恵方を向いて恵方巻きを食べる風習もあります。
節分の由来や食べ物についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
伝統的なハレの日ならではの過ごし方をしてみよう
特別な意味を持つハレの日。伝統的な行事食を食べたり、健康を願ったりと、その日ならではの過ごし方をしてみるのもよいかもしれません。
ハレの日の行事食はスーパー、コンビニでも販売されています。それぞれの時期が近付いてきたら、Shufoo!のチラシをチェックしてみましょう。また、おうちで行事食を手作りするなら、シュフーチラシアプリのレシピ機能も活用してみてください。