里芋の旬は秋~冬│栄養素やおいしい里芋の選び方、下処理を簡単にする豆知識
秋から冬にかけて旬を迎える里芋。ねっとりとした食感が特徴で、煮物や豚汁の具などにもよく使われる野菜です。この記事では、意外と知らない里芋の基礎知識とおいしいものの選び方、電子レンジを使った下処理、保存方法を紹介します。里芋を使った煮物・揚げ物・焼き物レシピもチェックしてみましょう。
- 里芋の基礎知識
- 里芋とはどんな野菜か
- 里芋の旬と主な産地
- 里芋の主な品種
- 里芋のカロリー
- 里芋に含まれる栄養素と効能
- グルコマンナン・ガラクタン:腸内環境を整える
- カリウム:体内の塩分を排出する
- おいしい里芋の選び方
- 里芋の基本の下処理・手がかゆくならない簡単裏ワザ
- 基本の下処理│洗う、皮をむく、ぬめりを取る
- 簡単裏ワザ│皮付きのまま電子レンジで加熱してから皮をむく
- 簡単裏ワザ│皮付きのまま冷凍して電子レンジで加熱して皮をむく
- 里芋の保存方法
- 常温|直射日光を避け新聞紙などに包んで保存
- 冷蔵|冷気が当たらないように野菜室で保存
- 冷凍|ラップに包み袋に入れて保存
- 食卓で旬を味わおう!里芋を使ったレシピ
- 素材のおいしさを味わう「里芋とイカのやわらか煮」
- 外はカリカリ、中はねっとり「フライド里芋」
- 箸が進む照り焼き味「里芋の豚肉巻き」
- 旬の里芋を食卓に取り入れよう
里芋の基礎知識
里芋はサトイモ科の植物で旬は秋~冬、主な産地は関東地方です。最も多く流通している品種は「土垂(どだれ)」で、他にもいろいろな品種があり、サイズや味に違いがあります。
里芋とはどんな野菜か
里芋はインドや東南アジアなどが原産のサトイモ科の植物で、根や実ではなく、肥大化した地下茎を食べます。地下茎の最も大きいものが親芋となり、周りに子芋・孫芋が増えていきます。煮物や汁物の具材として使われることが多く、ねっとりとした食感が特徴的です。
里芋の旬と主な産地
里芋は保存がきくこともあり一年中流通していますが、旬は9~12月ごろです。品種によって収穫時期は異なるものの、多くは秋~冬にかけて旬を迎えます。全国で栽培され、特に生産量が多いのは関東地方で、特に千葉県と埼玉県で生産が盛んです。
里芋の主な品種
里芋には日本で確認できるだけでも200種類あります。主な品種は以下の通りです。
品種 | 特徴 |
---|---|
土垂(どだれ) | 最もメジャーな品種。楕円形。ねっとりしていて煮崩れしにくい。 |
石川早生(いしかわわせ) | 土垂よりもやや小さめ。適度な粘りで淡白な味わい。 |
八つ頭(やつがしら) | 親芋と子芋がくっついた品種。サイズは大きめ。粘り気が少なくしっとりとした食感。 |
烏播(ウーハン) | 台湾より導入された黒軸径の品種。見た目は他と大きく変わらないが、他の品種よりもねっとり感が強くやわらかい。 |
セレベス | インドネシアから伝来した品種。サイズは子芋が土垂と同じぐらい、親芋はソフトボール大。粘りが少なくホクホクとした食感。 |
京いも | 宮崎県が主産地の品種。長さが20〜40cmほどの円筒形で、別名「タケノコ芋」とも呼ばれる。ぬめりが少なくホクホクとした食感。 |
海老芋 | エビのように反った形が特徴の品種。他の品種よりも大きめ。粘りがありねっとりした肉質で煮崩れしにくい。 |
里芋のカロリー
平均的な里芋1個(40g)あたりのカロリーは23kcal、糖質量は4.3gです。他の芋類と比べて低カロリーかつ栄養素が豊富なため、ダイエット中も頼れる食材のひとつ。ただし食べ過ぎには注意が必要です。
里芋に含まれる栄養素と効能
里芋は食物繊維やミネラルなどの栄養素を多く含みます。なかでも豊富に含まれる2種類の食物繊維と、カリウムの効能を見ていきましょう。
グルコマンナン・ガラクタン:腸内環境を整える
グルコマンナンとガラクタンは里芋のネバネバに含まれる水溶性の食物繊維です。グルコマンナンはコンニャクの主成分でもあります。腸内環境を整える効果に加え、血中コレステロール値、血糖値を下げる効果も期待できます。
カリウム:体内の塩分を排出する
里芋は体内の過剰な塩分(ナトリウム)を排出するカリウムも豊富です。カリウムは神経の働きや筋肉の収縮にも関わるミネラル成分で、むくみや高血圧の予防・改善効果が期待できます。
おいしい里芋の選び方
里芋を購入する際は以下のポイントをチェックしましょう。
<皮付き里芋を選ぶポイント>
・土が付いていて皮に湿り気があるか
・丸くふっくらとしているか
・縞模様がはっきりしているか
・お尻(親芋との切り口があるほう)が硬くてズッシリとしているか
<皮がむいてある場合>
・白くて艶があるか
・変色や傷がないか
・土が付いていて皮に湿り気があるか
・丸くふっくらとしているか
・縞模様がはっきりしているか
・お尻(親芋との切り口があるほう)が硬くてズッシリとしているか
<皮がむいてある場合>
・白くて艶があるか
・変色や傷がないか
里芋は乾燥に弱く、土が付いていることで適度な温度と湿度が保たれ、長持ちします。軽くてやわらかいものは、乾燥が進み傷んでいる場合があるので注意してください。
里芋の基本の下処理・手がかゆくならない簡単裏ワザ
生の里芋はぬめりがあり包丁で皮をむくと滑りやすく、含まれる成分によって手がかゆくなることもあります。そこで、安全に皮がむけて手もかゆくならず、ぬめりも取れる“一石三鳥”の裏技を紹介します。基本の下処理の手順もあわせてチェックしておきましょう。
基本の下処理│洗う、皮をむく、ぬめりを取る
里芋の基本的な下処理方法は洗う・皮をむく・ぬめりを取るの3つです。ぬめりを残したまま調理しても問題ありませんが、煮物が吹きこぼれやすくなったり、汁物に粘り気が出たりする可能性があります。ぬめりを取ると味の染みも良くなるので、できるだけ取ってしまうのがおすすめです。
<手順>
1. 皮付きのまま洗って土を落とす
2. しっかり水気を拭き取り、里芋の上下を切り落としてから皮をむく
3. 塩でもむか15分ほど下ゆでして、ぬめりを落とす
1. 皮付きのまま洗って土を落とす
2. しっかり水気を拭き取り、里芋の上下を切り落としてから皮をむく
3. 塩でもむか15分ほど下ゆでして、ぬめりを落とす
【豆知識】
里芋の皮付近にはシュウ酸カルシウムという皮膚を刺激する成分が含まれ、手に触れるとかゆくなる場合があります。もし下処理中に手がかゆくなったら、塩をつけて手を洗うか酢水(1カップ程度の水に酢大さじ2杯を入れる)に手をつけてみてください。
里芋の皮付近にはシュウ酸カルシウムという皮膚を刺激する成分が含まれ、手に触れるとかゆくなる場合があります。もし下処理中に手がかゆくなったら、塩をつけて手を洗うか酢水(1カップ程度の水に酢大さじ2杯を入れる)に手をつけてみてください。
簡単裏ワザ│皮付きのまま電子レンジで加熱してから皮をむく
加熱ムラが出ないよう、大きなものは半分に切って大きさを揃えておくと良いでしょう。
<電子レンジを使用した里芋の皮むき方法(6個の場合)>
1. 包丁で里芋の皮に一周切れ目を入れる
2. 1の里芋を耐熱容器に入れてラップをかける
3. 電子レンジ(600W)で約3分加熱する
4. 粗熱が取れたら皮をむく
1. 包丁で里芋の皮に一周切れ目を入れる
2. 1の里芋を耐熱容器に入れてラップをかける
3. 電子レンジ(600W)で約3分加熱する
4. 粗熱が取れたら皮をむく
簡単裏ワザ│皮付きのまま冷凍して電子レンジで加熱して皮をむく
里芋をたくさん購入した時など、すぐに全部食べないのであれば皮のまま冷凍保存するのもおすすめです。詳しい冷凍保存の方法は後ほど紹介します。
<冷凍した里芋の皮むき方法(2~3個の場合)>
1. 里芋をラップに包んだまま電子レンジ(600W)で約1分加熱する
2. 上下を返してさらに約1分加熱する
3. 里芋に竹串がスッと刺さるまで火が通れば、粗熱を取って皮をむく
1. 里芋をラップに包んだまま電子レンジ(600W)で約1分加熱する
2. 上下を返してさらに約1分加熱する
3. 里芋に竹串がスッと刺さるまで火が通れば、粗熱を取って皮をむく
※里芋の大きさにより、加熱時間は調整してください。
里芋の保存方法
里芋は乾燥と低温に弱いため、土付きのまま風通しの良い場所で保存するのが最も長持ちします。皮をむいた状態の里芋の保存方法と、冷蔵・冷凍保存の方法をチェックしましょう。
常温|直射日光を避け新聞紙などに包んで保存
常温の場合は直射日光を避け、土付きのまま新聞紙やキッチンペーパーに包み、適温(10〜25℃)に保ちつつ風通しの良い場所で保存します。乾燥すると鮮度が落ち、風味が悪くなってしまうため注意しましょう。保存期間は約1ヵ月です。
冷蔵|冷気が当たらないように野菜室で保存
常温で保存できる場所がない場合や、食材が傷みやすい夏場は冷蔵保存がおすすめです。里芋は低温に弱いため、冷気が直接当たらないようひとつずつキッチンペーパーに包み、さらにビニール袋に入れて野菜室で保存します。保存期間は約1週間で、里芋から出る水分によりキッチンペーパーが湿ってくるため、3日に1回は交換してください。
皮をむいたり下ゆでしたりした状態なら、3~5分ほど酢水につけ、頭がかぶるくらいの水を入れて保存容器で保存します。この場合、水は毎日交換するのが衛生的。皮をむいたり下ゆでしたしした里芋は傷みが早いため、2~3日で食べ切るようにしてください。
冷凍|ラップに包み袋に入れて保存
里芋は冷凍しても食感や風味が落ちにくいため、すぐに食べない場合は冷凍保存がおすすめ。土を洗って水気をしっかり拭き取り、ひとつずつラップで包み保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう。皮をむいたり下ゆでしたりした状態なら、水気をしっかり拭き取って保存袋に入れて冷凍保存します。どちらの方法も約1ヵ月の保存が可能です。
食卓で旬を味わおう!里芋を使ったレシピ
最後に里芋を使った簡単レシピを3つ紹介します。里芋は定番の煮物以外に、揚げたり焼いたりしてもおいしく食べられます。
素材のおいしさを味わう「里芋とイカのやわらか煮」
イカのうまみをたっぷり吸ったやわらかな里芋の味わいは格別です。
<材料:2人分>
・里芋(下処理済み) 5個
・イカ(筒切り) 150g
・水 500ml
【調味料】
・顆粒だし 小さじ1
・醤油、砂糖、料理酒 各大さじ2
・みりん 大さじ1
・里芋(下処理済み) 5個
・イカ(筒切り) 150g
・水 500ml
【調味料】
・顆粒だし 小さじ1
・醤油、砂糖、料理酒 各大さじ2
・みりん 大さじ1
<作り方>
1. 里芋を2等分にする
2. 鍋に里芋と水、調味料を入れて中火で加熱する
3. 里芋に火が通ったらイカを入れてアクをすくいながら煮る
4. アクが取れたら蓋をして弱火にして15分ほど煮る
5. 好みに合わせてさらに5〜10分ほど煮詰める
1. 里芋を2等分にする
2. 鍋に里芋と水、調味料を入れて中火で加熱する
3. 里芋に火が通ったらイカを入れてアクをすくいながら煮る
4. アクが取れたら蓋をして弱火にして15分ほど煮る
5. 好みに合わせてさらに5〜10分ほど煮詰める
外はカリカリ、中はねっとり「フライド里芋」
フライドポテトとは一味違う新たなおいしさ!おつまみやおやつにぴったりです。
<材料:2人分>
・里芋(下処理済み) 4個
・薄力粉 大さじ1
・揚げ油 適量
・塩 適量
・里芋(下処理済み) 4個
・薄力粉 大さじ1
・揚げ油 適量
・塩 適量
<作り方>
1. 里芋を縦4等分に切る
2. 里芋に薄力粉をまぶし、170℃に熱した揚げ油できつね色になるまで揚げる
3. 塩を振って皿に盛る
1. 里芋を縦4等分に切る
2. 里芋に薄力粉をまぶし、170℃に熱した揚げ油できつね色になるまで揚げる
3. 塩を振って皿に盛る
小麦粉を使わず素揚げにしたり、青のりを振ってのり塩味にしたりしてもおいしく食べられます。
箸が進む照り焼き味「里芋の豚肉巻き」
甘辛いタレとホクホク食感の里芋がおいしい一品です。お好みでネギを添えて。
<材料:2人分>
・里芋(下処理済み) 4個
・豚バラ肉(スライス) 200g
・サラダ油 大さじ1
・塩コショウ 少々
【調味料】
・砂糖 大さじ1
・料理酒、みりん、醤油 各大さじ2
・里芋(下処理済み) 4個
・豚バラ肉(スライス) 200g
・サラダ油 大さじ1
・塩コショウ 少々
【調味料】
・砂糖 大さじ1
・料理酒、みりん、醤油 各大さじ2
<作り方>
1. 豚バラを縦に広げてまな板に置き、手元側の端に里芋を置いてくるくると巻いていく
2. フライパンにサラダ油を引き、1の巻き終わりを下にして中火で焼く
3. 蓋をして5分ほど蒸し焼きにしたら調味料を加え、照りが出るまで煮詰める
1. 豚バラを縦に広げてまな板に置き、手元側の端に里芋を置いてくるくると巻いていく
2. フライパンにサラダ油を引き、1の巻き終わりを下にして中火で焼く
3. 蓋をして5分ほど蒸し焼きにしたら調味料を加え、照りが出るまで煮詰める
里芋は豚汁にもおすすめです。隠し味で豚汁をもっとおいしくするコツをこちらの記事で紹介しています。
旬の里芋を食卓に取り入れよう
里芋の旬は秋〜冬です。電子レンジを使った簡単な下処理を活用して、ねっとり、ホクホク食感を楽しめる里芋レシピを試してみましょう。
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