海藻の種類一覧│特徴や栄養素、おいしい食べ方まで一挙解説
昆布やワカメなどの海藻には、食物繊維やミネラルといった栄養素が豊富です。日本では100種類以上の海藻を食用とし、生息する海の深さによって大きく3種類に分類されます。海藻の種類を理解し、買い物や食事の際の参考にしてみてください。
海藻とは
日本の食文化になじみ深い海藻。海藻は種類も多く、さまざまな栄養素を持っています。はじめに、具体的な海藻の特徴や種類、代表的な栄養素を紹介します。
海中で育つ藻類のこと
海藻とは海の中に生える藻類です。茎・葉・根の区別がなく、胞子により繁殖するのが特徴です。地上の植物と同様に光合成を行うため、太陽光が入る海の浅瀬から水深数10mまでの沿岸部に生息しています。
海藻と同じ読み方をする言葉に「海草」がありますが、これは異なる植物です。どちらも海に生息しますが、海藻が藻類であるのに対し、海草は花や種子が成る種子植物です。海草は、海藻と違って茎・葉・根がはっきり区別できます。また、海藻と区別するために、海草を「うみくさ」と呼ぶこともあります。食用とされるのは海藻で、海草は基本的に食べられません。
主に3つのグループに分類される
海藻には多くの種類があり、食用でも100種類以上におよびます。主に海藻は、緑藻類(りょくそうるい)・褐藻類(かっそうるい)・紅藻類(こうそうるい)の3つのグループに分けられます。3つの違いは、生息する海の深さです。日光を浴びる量が異なり、海藻に含まれる色素に違いが出てくるので、異なる色になります。
代表的な栄養素
海藻はさまざまな栄養素を含みますが、特にミネラルが豊富です。低カロリーで食物繊維が多く、ダイエット、美容や健康の効果が期待できると注目されています。
ミネラル以外にも、鉄やカルシウム、ビタミンやヨウ素、食物繊維などの栄養素も豊富です。特に、甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素は、肌や髪、爪を美しく保つ効果があります。海藻は、水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維(フコイダンやアルギン酸)も多く入っています。水溶性食物繊維は、糖や脂質の吸収を妨げるので、ダイエットや生活習慣病に効果的です。
海藻以外の食物繊維が豊富な食べ物を紹介した記事も参考にしてください。
海藻の種類
海藻は色によって大きく3種類に分かれています。それぞれの特徴や主な使い方を知って料理に活用しましょう。
緑藻類(りょくそうるい)
緑藻類は、きれいな緑色が特徴です。海藻類の中で一番浅瀬に生息し、地上の植物に近い形態です。日光をよく浴び、葉緑体を多く含まれているので、光合成に必要な色素「クロロフィルa」と「クロロフィルb」を持ちます。緑藻類は、鉄・カルシウム・ヨウ素・食物繊維が豊富です。料理では、彩りやトッピング、つくだ煮にも使われています。
<代表的な緑藻類>
・アオノリ
・アオサ
・ウミブドウ
・アオノリ
・アオサ
・ウミブドウ
褐藻類(かっそうるい)
褐藻類は、緑藻類より少し深いところに生息している海藻です。クロロフィルやフコキサンチンと呼ばれる色素を含み、赤褐色から黒っぽい色が特徴です。褐藻類は、モズクやメカブといった粘り気のある種類が多く挙げられます。このネバネバ成分は、フコイダンという水溶性食物繊維の一種です。
他にもカルシウムが牛乳の12倍入っているヒジキや、グルタミン酸が豊富な昆布などが当てはまります。料理では、煮物やお味噌汁・酢の物などに使いやすい海藻です。また昆布やワカメから抽出したアルギン酸ナトリウムから作られた、透明の「海藻クリスタル」など新しい食材も登場しています。
<代表的な褐藻類>
・昆布
・ワカメ
・メカブ
・ヒジキ
・モズク
・昆布
・ワカメ
・メカブ
・ヒジキ
・モズク
紅藻類(こうそうるい)
紅藻類は海の深いところに生息し、赤い色が特徴です。クロロフィルやフィコエリスリン、フィコシアニンなどの色素を持ち、赤や青の色合いがあるので混ざり合うと紅色に見えます。料理では、刺身のツマや海藻サラダなどに使われています。日本人になじみ深い食材である海苔は、海藻の種類の中でも紅藻類に入る食品です。
<代表的な紅藻類>
・テングサ
・トサカノリ
・エゴノリ
・オゴノリ
・テングサ
・トサカノリ
・エゴノリ
・オゴノリ
海藻を食べる際の注意点や、おいしく食べるポイント
海藻類は食物繊維やミネラルなどの栄養素が豊富です。食べ方を工夫すれば、さらにおいしく体への栄養の吸収率を高められます。最後に海藻を食べる際の注意点やポイントを紹介します。
食べ過ぎない
海藻に含まれるヨウ素は、過剰に摂取すると体調を崩す可能性があるので食べ過ぎには注意しましょう。ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料です。甲状腺ホルモンは、交感神経に作用して基礎代謝を調節する効果があります。健康には欠かせませんが、ヨウ素を取り過ぎると甲状腺の機能を低下させる恐れがあります。
厚生労働省発表「日本人の食事摂取基準」では、成人のヨウ素の推定平均必要量は1日0.095mg、推奨量が1日0.13mgです。例えば昆布ダシ1gで1~3mg、ヒジキ5~7gで1.5~2mgのヨウ素を含みます。海藻は1度に大量に食べずに適切な摂取を心がけてください。
加熱し過ぎない
海藻に含まれる栄養素を効率的に摂取するには、加熱し過ぎないようにします。海藻に含まれる水溶性食物繊維(フコイダンやアルギン酸)は熱に弱い性質です。味噌汁に海藻を入れる時は沸騰させないようにしたり、調理の最後に入れたりするなど調理過程で工夫しましょう。
油や酢と一緒に食べる
海藻に含まれるβ-カロテンは、油に溶けやすい性質があります。炒め物に使ったり、オリーブオイルを使ったドレッシングをかけたりして油と一緒に食べると、β-カロテンの吸収率がアップ。
また海藻には食物繊維が多く含まれています。酢と一緒に食べると食物繊維がやわらかくなるので、フコダインといった栄養素を吸収しやすくなります。酢に含まれるクエン酸はカルシウムを体に吸収しやすい形に変える働きがあるので、効率的にカルシウムの摂取が可能です。酢の物にしたり、酢の入ったドレッシングを使ったりするのもおすすめです。
食事の最初に食べる
食事は海藻や野菜など食物繊維を豊富に含む食材から食べ始めましょう。食物繊維を豊富に含む海藻類は、血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあります。ご飯やパンといった糖類が豊富な食材は、空腹時に食べると血糖値を急上昇させます。そのため、肥満や動脈硬化など生活習慣病のリスクにつながりやすいです。血糖値の上昇をゆるやかにするためには、海藻や野菜(食物繊維)→肉や魚(タンパク質)→ご飯やパン(炭水化物)の順番に食べるのが効果的です。
栄養素が豊富な海藻は種類によって料理を使い分けよう
海藻の鮮やかな色合いは料理に彩りを添えるだけではなく、種類によってダシや汁物、煮物などさまざまな料理に活用できます。日々の食事においしく海藻を取り入れてみてはいかがでしょうか。
Shufoo!(シュフー)では、近所のスーパーのお買い得情報が見られるので、買い物前にチェックしてみてください。また、シュフーチラシアプリでは、レシピの検索ができます。検索画面に「海藻」を入れて、レシピを探してみましょう。
アプリのダウンロードはこちらから。