落し蓋の効果とは?身近な代用品の使い方と煮込み料理のレシピも紹介
落し蓋を煮込み料理のときに使うと、煮崩れを防ぎ、味をしみこませることができます。キッチンにあるアルミホイルやクッキングシートなどでも代用できるので、使い方を知っておくと便利です。この記事では、落し蓋の効果や代用品の使い方、落し蓋でおいしく仕上がる煮込み料理のレシピを紹介します。気軽にできる方法なので、調理をする際に試してみてください。
落し蓋とは?
落し蓋とは、煮込み調理をする際に食材の上に被せる蓋のことです。鍋より一回り(2~3cm)小さいものを使います。主に魚や野菜の煮込み料理など、和食を作るときに活用します。木製、ステンレス製、シリコンゴム製など素材も豊富です。
落し蓋のここがスゴイ!4つの効果
落し蓋には、煮崩れを防ぐ・食材の臭みを取る・味をしみ込ませる・蒸発を防ぐという4つの効果があります。落し蓋を使うと、よりおいしい料理が作れます。
煮崩れを防げる
煮崩れの主な原因は、鍋の中で食材がぶつかり合うことです。落し蓋を使えば重しになり、食材が動きにくくなるため煮崩れを防げます。ジャガイモ・カボチャ・ニンジンなど、煮崩れしやすい食材を煮込むときに使うのがおすすめです。
ムラなく味がしみ込む
煮汁と落し蓋がぶつかり対流が生まれるため、混ぜなくても全的に煮汁がいきわたり、味がムラなくしみ込みます。加熱ムラも同時に防げるので、ゴボウや大根など火が通りにくい野菜もおいしく煮上げられます。
食材の臭みを取る
食材の臭みが取りのぞかれ、料理がおいしく仕上がる効果も。落し蓋は鍋より一回り小さく、鍋蓋を被せたときのように密閉されないため、臭みがこもらずに外へ逃げていきます。生臭さが気になる魚や肉を調理するときに使うと便利です。
水分の蒸発を防ぐ
落し蓋に蒸気がぶつかり食材へ水分が落ちるため、煮汁の蒸発を防げます。落し蓋を使わずにいると、食材を焦がしたり、急に煮詰まったりすることも。落し蓋を使えば水分がゆっくりと蒸発するので、少ない煮汁で調理できて、焦げや煮詰まりも防げます。
落し蓋の代用アイテム4つ!使いこなして効率アップ
落し蓋はアルミホイルやペーパータオルなど、身近なもので代用できます。使い捨てでき、衛生的で便利です。落し蓋の代用品で気軽に料理をしてみましょう。
アルミホイル
アルミホイルは煮汁を吸収しないのが特徴。シワになっている部分でアク取りもできて一石二鳥の代用品です。
<落し蓋の作り方>
1. 鍋より一回り大きい円形に切る
2. くしゃっと小さく丸める
3. アルミホイルを鍋に収まるように広げなおす
4. 菜箸などで真ん中に穴を開ける
1. 鍋より一回り大きい円形に切る
2. くしゃっと小さく丸める
3. アルミホイルを鍋に収まるように広げなおす
4. 菜箸などで真ん中に穴を開ける
【ここがポイント】
アルミホイルの真ん中に穴を開ける
穴を開けておくと沸騰した煮汁が穴の上に出るため、アルミホイルの浮きを防止できます。
アルミホイルの真ん中に穴を開ける
穴を開けておくと沸騰した煮汁が穴の上に出るため、アルミホイルの浮きを防止できます。
クッキングシート
クッキングシートも使い捨てでき、洗いものが減るので便利です。何枚かまとめて作っておけば、必要なときにすぐに使えます。
<落し蓋の作り方>
1. 鍋より大きめに切り、四つ折りにしてから半分に折って三角形にする
2. 鍋の中心に三角形の先端を合わせ、鍋からはみ出る部分をカットする
3. 中心部の先端を少し切り落とす
4. 両端の2~3ヵ所に三角形に切れ込みを入れ、切り抜く
1. 鍋より大きめに切り、四つ折りにしてから半分に折って三角形にする
2. 鍋の中心に三角形の先端を合わせ、鍋からはみ出る部分をカットする
3. 中心部の先端を少し切り落とす
4. 両端の2~3ヵ所に三角形に切れ込みを入れ、切り抜く
【裏ワザ】
ホールケーキ型用のクッキングシートを使う
ホールケーキの型に使う円形のクッキングシートなら、切る手間が省けておすすめ。直径が18cm程度のサイズは100均にもあるのでチェックしてみてください。
ホールケーキ型用のクッキングシートを使う
ホールケーキの型に使う円形のクッキングシートなら、切る手間が省けておすすめ。直径が18cm程度のサイズは100均にもあるのでチェックしてみてください。
クッキングシートの便利な使い方は、こちらでも紹介しています。
ペーパータオル
濡れても破れない丈夫なペーパータオルは、落し蓋として使えます。丸く切ったり穴を開けたりせずに、そのまま使えるのが特徴です。
<落し蓋としての使い方>
1. ペーパータオルを鍋のサイズに合わせてカットする
2. ペーパータオルを水で全体的に濡らす
3. かたく絞った後に広げる
4. 鍋の形に沿うように入れる
5. 角のはみ出る部分は火が燃え移らないよう、折り込んで鍋の中に入れる
1. ペーパータオルを鍋のサイズに合わせてカットする
2. ペーパータオルを水で全体的に濡らす
3. かたく絞った後に広げる
4. 鍋の形に沿うように入れる
5. 角のはみ出る部分は火が燃え移らないよう、折り込んで鍋の中に入れる
【ここがポイント】
耐久性のあるペーパータオルを使用する
薄いものや水分に弱いものは料理の途中で破れてしまうので、繰り返し使える耐久性のあるペーパータオルを使うのがおすすめです。濡らさずに使う場合は、ペーパータオルが煮汁を吸うため煮汁の量を少し増やしましょう。
耐久性のあるペーパータオルを使用する
薄いものや水分に弱いものは料理の途中で破れてしまうので、繰り返し使える耐久性のあるペーパータオルを使うのがおすすめです。濡らさずに使う場合は、ペーパータオルが煮汁を吸うため煮汁の量を少し増やしましょう。
平たい皿
平らで軽い皿なら落し蓋として代用できます。ただし、煮ると100℃まで温度が上がるので、100℃以上の耐熱性のある皿を選びましょう。
<落し蓋としての使い方>
1. 皿の上下を逆にする
2. 食材の上に皿を被せる
1. 皿の上下を逆にする
2. 食材の上に皿を被せる
【ここがポイント】
鍋より一回り小さいサイズを選び、トングを使って取り出す
鍋にぴったりのサイズだと取り出しにくくなります。また、皿が重いと食材が潰れてしまうので、重すぎないお皿を選ぶのもポイント。調理後しばらくは皿が熱いので、火傷などをしないようにトングなどを使って安全に取り出してください。
鍋より一回り小さいサイズを選び、トングを使って取り出す
鍋にぴったりのサイズだと取り出しにくくなります。また、皿が重いと食材が潰れてしまうので、重すぎないお皿を選ぶのもポイント。調理後しばらくは皿が熱いので、火傷などをしないようにトングなどを使って安全に取り出してください。
落し蓋の代用品を使うときの注意点
使い勝手が良い落し蓋の代用品ですが、大きさや素材、使用する鍋によっては注意が必要です。安全に調理するためにも、注意点を確認しておきましょう。
鍋からはみ出ないように使う
鍋から落し蓋がはみ出ると熱で溶けたりコンロの火がついたりして、火事の原因になります。鍋のフチにかかっているだけでも溶ける危険があるので、鍋の中に全部入っているかしっかり確認してから火にかけてください。
耐熱温度を確認する
アルミホイルの耐熱温度は最低300℃以上、クッキングシートは250℃が主流ですが、ペーパタオルは製品によって熱に弱いタイプもあります。皿で代用するときは、100℃以上の耐熱性があるものかどうか、耐熱温度を確認してから使用しましょう。
アルミホイルは長時間使用しない
アルミホイルの落し蓋を調理に使った後は、早めに鍋から取り出すことをおすすめします。アルミホイルに使われているアルミニウムは、酸性やアルカリ性に反応しやすく、食材によってはアルミホイルを長時間使うと、溶けたり黒ずんだりする可能性があります。
体内に取り込まれたアルミニウムは、ほとんど体外へ排出されるため、健康に影響は少ないとされていますが、長時間食材に触れたままにするのは避けた方が良いでしょう。何時間も煮込むような料理でアルミホイルを使うのが心配なら、他の代用品を使ってください。
安易に圧力鍋・減圧鍋に落し蓋を使用しない
加圧もしくは減圧するときに圧力調整弁をふさぐ可能性があるので、圧力鍋・減圧鍋に落し蓋を使用するのは避けてください。安全装置が正常に作動せずに鍋が破裂する危険性があります。
ただし、鍋の種類によっては、ペーパータオルや専用の落し蓋を使える場合があるので、取扱説明書を確認してから利用しましょう。
落し蓋を使った煮込み料理のレシピ
落し蓋を使うとよりおいしさが増す煮込み料理のレシピを紹介します。落し蓋を使わずに作ったときとの違いを比べてみるのも良いでしょう。
肉じゃが
煮込み料理の代表格といえば、肉じゃが。豚肉の代わりに牛肉や鶏肉でもおいしく作れます。またお肉を半量(100g)に減らして、しらたき1袋(200g)を入れても同じくらい食べ応えがあり、摂取カロリーを抑えられます。
<材料:2人分>
・豚こま肉 200g
・ジャガイモ 3個
・ニンジン 1本
・玉ネギ 1個
A
・だし汁 200cc
・醤油 大さじ2
・酒 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ2
・豚こま肉 200g
・ジャガイモ 3個
・ニンジン 1本
・玉ネギ 1個
A
・だし汁 200cc
・醤油 大さじ2
・酒 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ2
<作り方>
1. ジャガイモとニンジンは乱切り、玉ネギはくし切り、豚肉は約3cmに切る
2. 鍋に油をひいて豚肉・野菜の順に軽く火が通るまで炒める
3. Aを加えて落し蓋をし、弱火で20~30分煮込む
4. 味が均一にしみ込んだら器に盛る
1. ジャガイモとニンジンは乱切り、玉ネギはくし切り、豚肉は約3cmに切る
2. 鍋に油をひいて豚肉・野菜の順に軽く火が通るまで炒める
3. Aを加えて落し蓋をし、弱火で20~30分煮込む
4. 味が均一にしみ込んだら器に盛る
豚の角煮
メインのおかずにぴったりの角煮。先に下ゆでするのが、豚肉をやわらかくするポイントです。
<材料:2人分>
・豚バラ肉(ブロック) 500g
・薄切り生姜(皮つき) 20g
・長ネギ(青い部分) 1本
・ゆで卵 2個
A
・ゆで汁 400cc
・醤油 大さじ4
・料理酒 大さじ3と1/2
・砂糖 大さじ3
・豚バラ肉(ブロック) 500g
・薄切り生姜(皮つき) 20g
・長ネギ(青い部分) 1本
・ゆで卵 2個
A
・ゆで汁 400cc
・醤油 大さじ4
・料理酒 大さじ3と1/2
・砂糖 大さじ3
<作り方>
1. 豚肉は3cm幅に切る
2. 鍋に豚肉、生姜、長ネギを入れ、こぼれない程度の水を入れて加熱する
3. 沸騰したらアク取りをし、弱火で30分ゆでる
4. 豚肉はザルにあげて水切り、ゆで汁を400cc残してAのゆで汁に利用する
5. 鍋にAと豚肉を入れて煮立たせる
6. ゆで卵を入れて落し蓋をし、弱火で1時間煮込む
7. 煮汁が多ければ落し蓋を取って中火で煮詰める
8. 味がなじんだら、卵を半分に切り器に盛りつける
1. 豚肉は3cm幅に切る
2. 鍋に豚肉、生姜、長ネギを入れ、こぼれない程度の水を入れて加熱する
3. 沸騰したらアク取りをし、弱火で30分ゆでる
4. 豚肉はザルにあげて水切り、ゆで汁を400cc残してAのゆで汁に利用する
5. 鍋にAと豚肉を入れて煮立たせる
6. ゆで卵を入れて落し蓋をし、弱火で1時間煮込む
7. 煮汁が多ければ落し蓋を取って中火で煮詰める
8. 味がなじんだら、卵を半分に切り器に盛りつける
サバのみそ煮
煮汁をトロトロにしたい場合は片栗粉でとろみをつけましょう。
<材料:2人分>
・サバの切り身 2切れ
・薄切り生姜(皮なし) 1かけ
・長ネギ 1本
・みそ 大さじ2
A
・酒 大さじ3と1/2
・醤油 大さじ1/2
・砂糖 大さじ1と1/2
・水 150cc
・サバの切り身 2切れ
・薄切り生姜(皮なし) 1かけ
・長ネギ 1本
・みそ 大さじ2
A
・酒 大さじ3と1/2
・醤油 大さじ1/2
・砂糖 大さじ1と1/2
・水 150cc
<作り方>
1. 長ネギは5cm幅に切る
2. サバをザルにのせて250ccの熱湯を回しかける
3. Aにみそを混ぜて溶かし、鍋に入れて加熱する
4. 生姜、長ネギを入れて中火で煮立ったら、サバの皮目を上にして入れる
5. 落し蓋をして再び煮立たせた後、弱火で15分煮る
6. ネギ、生姜、サバを器に盛る
1. 長ネギは5cm幅に切る
2. サバをザルにのせて250ccの熱湯を回しかける
3. Aにみそを混ぜて溶かし、鍋に入れて加熱する
4. 生姜、長ネギを入れて中火で煮立ったら、サバの皮目を上にして入れる
5. 落し蓋をして再び煮立たせた後、弱火で15分煮る
6. ネギ、生姜、サバを器に盛る
落し蓋の代用品で煮込み料理を気軽においしく!
落し蓋はアルミホイル以外にクッキングシートやペーパータオル、皿など身近なものでも代用できます。使い捨てができるものなら、後片付けも簡単。ぜひ家にあるものを使って、おいしい煮込み料理に挑戦してみてください。
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