【防災の達人に聞いた】これだけは備えておきたい防災への備え
日本は地質や気象などの条件から、自然災害が起こりやすい地形と言われています。「南海トラフ地震」においては、30年以内の発生確率が70~80%以上という予測も。近年は、大雨や台風による水害など、気候変動によるさまざまな影響が生じています。いつ起こるか予想できない災害に備えて、いざという時のために対策を考えておくことが重要です。今回は、Instagramでさまざまな防災情報を発信している防災アドバイザーのリサさんに、今すぐ家庭で取り入れられる防災対策について教えてもらいました。
防災アドバイザー/防災士/防災危機管理者 | リサさん
大学から大学院で土木を専攻し、修論は避難に関する研究を実施。小学校での防災教育活動も行う。大学での経験や東日本大震災をきっかけに、防災について多くの人に知ってほしいという思いから、【家族を守る防災対策】をテーマに発信している。
リサさんのインスタグラム
@risa_bosaiadviser
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まずは自分の住んでいる地域の危険性を知ろう
一言に「防災対策」と言ってもその内容はさまざま。災害によって必要な対策は変わってくるので、まずは自分の住んでいる地域にはどんな危険があるのかを知ることが大切です。
国土交通省の「わがまちハザードマップ」や「ハザードマップポータルサイト」をはじめ、各自治体も災害に関する情報を発信しています。
また、地図アプリ「地図マピオン」でも、「防災マップ」※で浸水リスクや現在地周辺の「指定緊急避難場所」を確認することができます。日頃から情報を確認し、万が一に備えて家族と話し合うようにしましょう。
※※防災マップはiOS版のみの機能となります。
また、地図アプリ「地図マピオン」でも、「防災マップ」※で浸水リスクや現在地周辺の「指定緊急避難場所」を確認することができます。日頃から情報を確認し、万が一に備えて家族と話し合うようにしましょう。
※※防災マップはiOS版のみの機能となります。
「備蓄品」を揃えよう
防災対策というと「備蓄」を思い浮かべる人も少なくないと思います。では、正しい「備蓄」とは何を、どのくらい用意したらよいのでしょうか?
まず、量に関しては「3日分」を基準に考えてください。もし被災した場合、支援の手が回ってくるまでは3日ほどかかると言われています。理想は1週間分ですが、ゼロから1週間分の備蓄を揃えるのはなかなかハードルが高いので、まずは3日分の備蓄品を用意しましょう。
まず、量に関しては「3日分」を基準に考えてください。もし被災した場合、支援の手が回ってくるまでは3日ほどかかると言われています。理想は1週間分ですが、ゼロから1週間分の備蓄を揃えるのはなかなかハードルが高いので、まずは3日分の備蓄品を用意しましょう。
まず用意すべきは「水」
まず用意しておくべきものは「水」です。水は飲料だけでなく、生活用水としてもさまざまな場面で必要なもの。
1日に必要な量は「1人3L」と言われていますが、3L×家族の人数分×3日分…と考えると結構な量になります。
でも、普段生活で使っているお水、例えば普段の飲料用として買っているペットボトルの水やウォーターサーバーの水も「備蓄」にカウントできます。また、普段ポットなどにお茶を作って冷蔵庫に入れている家ではそのお茶も飲料水として「備蓄」にカウントして問題ありません。「備蓄」だからといって使わずにしまっておく必要はないので、使いながらの「備蓄」を意識するのがおすすめです。
1日に必要な量は「1人3L」と言われていますが、3L×家族の人数分×3日分…と考えると結構な量になります。
でも、普段生活で使っているお水、例えば普段の飲料用として買っているペットボトルの水やウォーターサーバーの水も「備蓄」にカウントできます。また、普段ポットなどにお茶を作って冷蔵庫に入れている家ではそのお茶も飲料水として「備蓄」にカウントして問題ありません。「備蓄」だからといって使わずにしまっておく必要はないので、使いながらの「備蓄」を意識するのがおすすめです。
「食料」はできるだけ普段食べているものに近いものを
最近ではいろいろな非常食が市販されていますが、選ぶポイントは「できだけ普段食べているものと近いものを選ぶ」ということです。
例えば、毎朝パンを食べる人はパンを用意しておくなど、自分の好みに合わせた備蓄をするようにします。
非常時でも普段に近い生活を送れることが安心に繋がります。
例えば、毎朝パンを食べる人はパンを用意しておくなど、自分の好みに合わせた備蓄をするようにします。
非常時でも普段に近い生活を送れることが安心に繋がります。
こちらも、3日分を全て非常食で備蓄する必要はなく、普段よく食べる缶詰やレトルト食品を「備蓄」としてカウントし、使いながら備蓄をすることができます。
こちらの記事では、調理いらずのお手軽&おいしい非常食を紹介しています。
ローリングストックを上手に活用しよう
水や食料は、普段の生活で使いながら備蓄をすると説明しましたが、このように、日用品を少し多めに買っておいて、使った分だけ買い足すことを「ローリングストック」と言います。ローリングストックを行うことで備蓄品の消費期限切れを防ぐことができ、災害時でも普段と同じような食生活を送ることができます。スペースの節約にもなりますので、ぜひローリングストックを取り入れてみてください。
ローリングストックの概要や食品の選び方については、こちらの記事でも紹介しています。
非常用持ち出し袋には何を入れる?
自宅以外に避難をする場合に必要なのが非常用持ち出し袋です。地震や水害などで自宅での避難が困難になった時のために、こちらも普段から用意しておくようにしましょう。
必ず入れるもの
水・食べ物
どちらも必要ですが、避難所にも数日分の食事が用意されていることがほとんどなので、自宅の備蓄ほど多く入れる必要はありません。
どちらも必要ですが、避難所にも数日分の食事が用意されていることがほとんどなので、自宅の備蓄ほど多く入れる必要はありません。
モバイルバッテリー
災害時も情報収集や家族の安否確認のためにスマートフォンは必要不可欠です。避難所の充電器は混み合うので、モバイルバッテリーを用意しておくようにしましょう。おすすめは乾電池式のもの。もちろん予備の乾電池も必須です。手で回して発電させる充電器もありますが、多くの手回し充電では、手回しを5分程して1~3分通話をすることができるイメージなので、電池式のものがおすすめです。
簡易トイレ
避難所にもトイレはありますが、混み合っていて行列ができることも。水が流れず不衛生な場合もあるので、簡易トイレがあると安心です。簡易トイレは、基本的に汚物ごみとして自治体や避難所単位で処理をしますが、各避難所によってルールが異なりますので、使用前に確認をするようにしてください。
用意する数に関して、人は1日に5~7回トイレに行くと言われています。避難所によっては、トイレの設置までに3日ほどかかったという例もあるので、3日分用意できるのが望ましいですが、最低でも1日分は用意しておくようにしましょう。
避難所にもトイレはありますが、混み合っていて行列ができることも。水が流れず不衛生な場合もあるので、簡易トイレがあると安心です。簡易トイレは、基本的に汚物ごみとして自治体や避難所単位で処理をしますが、各避難所によってルールが異なりますので、使用前に確認をするようにしてください。
用意する数に関して、人は1日に5~7回トイレに行くと言われています。避難所によっては、トイレの設置までに3日ほどかかったという例もあるので、3日分用意できるのが望ましいですが、最低でも1日分は用意しておくようにしましょう。
できれば入れておきたいもの
タオル
手や体を拭くだけでなく、下に敷く、ケガした時に止血するなどさまざまな用途で使えるので入れておくと便利です。バスタオルとフェイスタオル各1枚ずつを目安に準備してください。
手や体を拭くだけでなく、下に敷く、ケガした時に止血するなどさまざまな用途で使えるので入れておくと便利です。バスタオルとフェイスタオル各1枚ずつを目安に準備してください。
お菓子などの嗜好品
避難中は不安なことも多いので、甘いものや自分の好きなものを口に入れることで少し安心感を得ることができます。
避難中は不安なことも多いので、甘いものや自分の好きなものを口に入れることで少し安心感を得ることができます。
はさみ
何かと「切る」必要がある場面が多いので、持っていると便利です。
何かと「切る」必要がある場面が多いので、持っていると便利です。
生理用品
自分に合ったものを用意しておくと、いざという時でも安心です。使い慣れたものを1周期分用意しましょう。
自分に合ったものを用意しておくと、いざという時でも安心です。使い慣れたものを1周期分用意しましょう。
ホイッスル
瓦礫などで動けなくなった際、救助を呼ぶために使用しますが、避難所によっては治安が良くないこともあるので、防犯ブザー代わりにも使えます。
瓦礫などで動けなくなった際、救助を呼ぶために使用しますが、避難所によっては治安が良くないこともあるので、防犯ブザー代わりにも使えます。
子どもがいる場合に入れておくもの
離乳食
避難所では配られないことがほとんどなので、入れておきましょう。最低でも3日分は用意してください。
ミルク
避難所では煮沸消毒ができないので、そのまま飲める液体ミルクがおすすめです。
おむつ
もし、すでにおむつ離れをした子でも、避難所ではおむつの方が良い場合もあります。こちらも離乳食と同様、避難所では手に入りにくいことがあるので、3日分は用意しておきましょう。
おもちゃ
制約の多い避難所内ではストレス軽減のためのおもちゃも大事です。なわとび、お絵かき道具、トランプなどかさばらないものを子どもの年齢に合わせて用意します。
ペットがいる場合に入れておくもの
ペットフード・おやつ
食べなれているものを数日分入れておきましょう。
トイレシート・ウエットティッシュなど
ペットの周りを清潔に保つために必要です。
ペットキャリーやケージ
ペット可の避難所でも、ペットはキャリーやケージに入れることが必須となっていることが多いので、すぐに持ち出せるものを、非常用持ち出し袋と一緒に用意しておきましょう。
非常用持ち出し袋の見直しサイクルは?
水や食料品の消費期限を確認するためにも、少なくとも1年に1度は見直しを行います。できれば、衣替えの時期に合わせ、春と秋に見直しを行うと、季節に合わせた備えができるのでおすすめです。
こちらの記事でも、準備しておきたい防災グッズについて紹介しています。
家の中の防災対策
大きな地震が発生した場合、家の中の家具や電化製品が倒れる危険性があります。けがをしたり、避難が困難になったりすることを防ぐために、対策を行っておきましょう。
肩より高い家具は固定をする
地震の時に倒れる危険性のある高い家具は固定をします。基準は肩よりも高さがあるかどうかです。100均やホームセンターなどでさまざまな固定器具があるので、部屋や家具に合ったものを選びましょう。
寝室に背の高いものは置かない
寝ている間に倒れてくることを想定し、寝室には背の高い家具を置かないことをおすすめします。どうしても家具を置く必要がある場合は、万が一揺れても体の上に倒れてこない向きに置くようにしましょう。
電化製品の下には滑り止めシートを敷く
電子レンジやトースターなど固定することが難しい電化製品は、下に滑り止めシートを敷いたり、シリコンの粘着テープで固定したりするのがおすすめです。
家の中で安全な場所を見つけておく
「部屋の中にはいろいろなものがあり、倒れたり壊れたりする危険性があるけど、廊下には物が少ないので安全」といったように、地震が起きた時でも安全な場所を把握しておき、事前に家族間でシェアしておくことも大切です。
トイレも比較的安全と言われていますが、ドアの前に物が倒れたりした場合はドアが開かなくなり、閉じ込められる可能性もあるため、注意した方がよいでしょう。
トイレも比較的安全と言われていますが、ドアの前に物が倒れたりした場合はドアが開かなくなり、閉じ込められる可能性もあるため、注意した方がよいでしょう。
普段からの備えで家族に安心を
災害はいつ起こるかわかりません。だからこそ、普段からの備えが大切です。いざという時に備えて、ここで紹介した内容について、出来ることから始めてみてはいかがでしょうか?
防災対策グッズや非常食、備蓄品を買うなら、Shufoo! (シュフー)でホームセンターやスーパーのチラシをチェックしてみるのがおすすめです。毎日の買い物に便利なシュフーチラシアプリのダウンロードはこちらから。