行者ニンニク|栄養価が高く香りと食感が魅力の山菜。食べ方や保存方法を解説
行者ニンニクはネギ属の山菜で、ネギやニラの仲間です。栄養価が高く、食欲をそそる香りが特徴的で、シャキシャキとした食感を楽しめます。ここでは行者ニンニクの栄養素や保存方法、そして美味しい食べ方を紹介します。またニンニクとの違いも解説。5月に旬を迎える行者ニンニクを、ぜひ食卓に添えてみてください。
- 行者ニンニクってどんな野菜?
- 早春に芽を出す山菜
- 強い香りとシャキシャキとした食感が特徴
- 行者ニンニクとニンニクの違い
- 注目したい行者ニンニクの栄養素
- 疲労回復に効果が期待できる「アリシン」
- 骨を強くする「ビタミンK」
- 行者ニンニクの下処理の仕方と美味しい食べ方
- 基本の下処理方法
- 美味しい食べ方➀醤油漬けにして常備菜にする
- 美味しい食べ方②メインメニューのアクセントに加える
- 美味しい食べ方➂さっと茹でて副菜にする
- 新鮮な行者ニンニクの見分け方
- 葉がしっかり開きハリがあるものを選ぶ
- 行者ニンニクの保存方法
- ポリ袋に入れ立てて冷蔵保存:2~3日
- 茹でてカットして冷凍保存:2~3週間
- 春だけしか味わえない行者ニンニク。香りと食感を楽しもう
行者ニンニクってどんな野菜?
春先になると、スーパーや八百屋で見かける機会が増える行者ニンニク。まずは、行者ニンニクがどのような食材なのかを紹介します。
早春に芽を出す山菜
行者ニンニクは、寒い地域の山に生息するユリ科ネギ属の山菜で、ネギやニラの仲間です。山に入った修行者が精力をつけるために食べていたことから、行者ニンニクと呼ばれるようになりました。天然物と栽培物があり、天然物は育つまでに5年ほどかかるので、大変貴重です。天然物の旬は4〜5月頃で、ハウス栽培の行者ニンニクは早ければ1月頃から出荷が始まります。地域によっては「アイヌネギ」や「キトビロ」、「ヒトビロ」とも呼ばれています。
強い香りとシャキシャキとした食感が特徴
行者ニンニクは、ニンニクと同じ香味成分・アリシンが含まれています。そのため、ニンニクのような香りがすることから、「行者ニンニク」と呼ばれているのです。生のままで食べるのも美味しいですが、口の中に匂いが残るので、翌日に人と会う予定がある場合は注意してください。シャキシャキとした食感の葉の部分はニラに似ています。食感を楽しみたい場合は、細いものではなく太いものを選ぶと良いでしょう。
行者ニンニクとニンニクの違い
行者ニンニクは名前にニンニクがついていますが、実はニンニクとは違う野菜です。ニンニクは玉葱のように土の中に埋まっている鱗茎(りんけい)部分を食べますが、行者ニンニクはネギやニラのように葉や茎の部分を食べます。また、行者ニンニクの香りはニンニクより強いのも特徴です。ニンニクは1年中流通していますが、行者ニンニクは春先だけしか出回らない希少価値のある野菜なのです。
注目したい行者ニンニクの栄養素
行者ニンニクには、体に良い栄養素がたくさん含まれています。ここでは特に代表的な成分を2つピックアップして紹介します。
疲労回復に効果が期待できる「アリシン」
アリシンは、疲労回復や滋養強壮効果が期待できる成分です。このアリシンはビタミンB1の吸収を助けることから、行者ニンニクと一緒にビタミンB1を含む食品を一緒に摂ることで、より高い疲労回復や滋養強壮の効果が期待できます。
アリシンは、行者ニンニクの細胞を壊す(切る、刻む、すりつぶすなど)ことで生成される成分です。また、アリシン同様に疲労回復に効果的なスコルニジンという成分も含まれています。
骨を強くする「ビタミンK」
行者ニンニクは生鮮食品の中でもビタミンKの含有量がトップクラスの食材です。ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬にも使われる成分であり、骨にカルシウムを定着させ、骨を丈夫にする効果が期待できると言われています。
行者ニンニクの下処理の仕方と美味しい食べ方
行者ニンニクを購入したら、調理の前に下処理を行いましょう。ここでは行者ニンニクの下処理の方法と美味しい食べ方を紹介します。定番の常備菜兼保存食から、メイン料理のアクセント、さっぱりとした副菜まで、行者ニンニクはさまざまな方法で食べられますよ。
基本の下処理方法
土がついていることがあるので、根元の赤い部分(はかま)を取り、水でよく洗い流してください。はかまは食べられますが、取ると香りが抑えられるため、好みで調整すると良いでしょう。
美味しい食べ方➀醤油漬けにして常備菜にする
下処理をした生の状態か、さっと茹でた行者ニンニクを醤油に漬けるだけの簡単で美味しい食べ方です。
漬け込んだ醤油には行者ニンニクの香りが染み込み、パスタや肉炒めにも使える風味豊かな調味料になります。北海道では、ご飯や豆腐にかけて食べるのが定番の食べ方だそうです。きちんと消毒した瓶に保存すれば、冷蔵庫で半年〜1年保存可能です。春の味覚を食卓で1年中楽しめる、常備菜やご飯のお供として最適ですよ。
美味しい食べ方②メインメニューのアクセントに加える
ニンニクと同じように薬味としてメインメニューに加える方法もあります。細かく刻んで入れるのが定番で、餃子やチャーハンにぴったりです。豚肉とも相性が良いので、オイスターソースで炒めたり、薄切り肉で巻いたりするのもおすすめです。酢豚に使っても甘酢との組み合わせが美味しく、親子丼やペペロンチーノ、てんぷらなど子どもの好きなメニューとも相性抜群。薬味の香りと独特の香りで箸が進みます。
美味しい食べ方➂さっと茹でて副菜にする
行者ニンニクは火の通りも早いため、さっと茹でるだけで簡単に副菜になる優れもの。忙しい時の時短メニューとしても活躍します。お浸しやナムル、浅漬けなどにすると、行者ニンニクのシャキシャキとした食感が心地良い一品になります。茹でて酢味噌をつけて食べるだけで酒の肴にもぴったりです。冷めても美味しく、作り置きにも向いているのでお弁当のおかずにも最適です。
新鮮な行者ニンニクの見分け方
新鮮な行者ニンニクの見分け方を紹介します。ぜひ購入時の参考にしてみてください。
葉がしっかり開きハリがあるものを選ぶ
葉がみずみずしくハリがあり、葉先までしっかり張っているもの、茎は太めのものがおすすめです。また茎の切り口は綺麗で白いものを選んでください。新鮮でないものは、根元の切り口がドロドロと溶けていることが多いので注意が必要です。
行者ニンニクは、葉が開くとだんだん香りが弱まるのですが、これは鮮度が悪いわけではありません。香りと鮮度は、実は無関係。匂いが苦手な人はできるだけ葉が開ききってピンと張っているものを選ぶのがおすすめです。
行者ニンニクの保存方法
行者ニンニクは乾燥に弱く、常温保存には向いていません。冷蔵・冷凍保存して、美味しさをキープしましょう。
ポリ袋に入れ立てて冷蔵保存:2~3日
冷蔵する場合は、乾燥しないように次の手順で保存してください。
保存期間:2〜3日
<保存方法>
・キッチンペーパーを湿らせる
・濡らして軽く絞ったキッチンペーパーで行者ニンニクの根元を包む
・ポリ袋に入れる
・立てた状態で冷蔵保存する
<保存方法>
・キッチンペーパーを湿らせる
・濡らして軽く絞ったキッチンペーパーで行者ニンニクの根元を包む
・ポリ袋に入れる
・立てた状態で冷蔵保存する
茹でてカットして冷凍保存:2~3週間
下処理して冷凍すれば、数週間の保存も可能です。
保存期間:2~3週間
<保存方法>
・行者ニンニクを茹でる
・キッチンペーパーでしっかり水気をとる
・行者ニンニクを食べやすい大きさにカットする
・なるべく重ならないようにして、薄く平らな状態で保存袋に入れる
・アルミトレイに乗せ、冷凍保存する
<保存方法>
・行者ニンニクを茹でる
・キッチンペーパーでしっかり水気をとる
・行者ニンニクを食べやすい大きさにカットする
・なるべく重ならないようにして、薄く平らな状態で保存袋に入れる
・アルミトレイに乗せ、冷凍保存する
春だけしか味わえない行者ニンニク。香りと食感を楽しもう
行者ニンニクは香りが良く、アリシンやビタミンKなどの栄養が豊富に含まれる山菜です。旬の時期しかなかなか出会えないので、スーパーで見かけたらぜひ購入してみてはいかがでしょうか。醤油漬けやナムルなど、自由にアレンジして独特の香りや歯ざわりを楽しんでください。
なお行者ニンニクをはじめ、5月が旬の野菜や魚、果物はこちらの記事で紹介しています。
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