たけのこ|失敗しないアク抜きの方法とは?栄養素やうまみを逃がさない保存方法も
春に旬を迎えるたけのこは、独特の風味や食感が楽しめる食材です。ただし生食には向いておらず、調理の際はしっかりとアク抜きをする必要があります。本記事では、失敗しないたけのこのアク抜きの方法をはじめ、その栄養価や保存方法などを解説していきます。春にしか味わえないたけのこの美味しさを楽しみましょう。
- 新鮮なたけのこを手に入れ、すぐにアク抜きをしよう
- たけのこのアク抜きの手順を覚えよう
- アク抜きにかかる時間と準備するもの
- 手順1.たけのこを切る~鍋に入れる
- 手順2.火にかける~冷ます
- 手順3.皮をむく~不要な部分を切り落とす
- たけのこのアク抜きで失敗しないための3つのポイント
- 1.新鮮なうちにアク抜きをする
- 2.アクとえぐみをシャットアウトする
- 3.ゆっくり時間をかけて茹で、冷ます
- たけのこの主な栄養素
- 疲労回復や集中力アップが期待できるチロシン
- 体の水分バランスを整えるカリウム
- 腸を刺激して排便を促す不溶性食物繊維
- 低カロリーで低糖質
- たけのこの風味をキープする2つの保存術
- 1.たけのこを4つの部位に分ける
- 2.おいしさを保って冷凍する
- 部位別・たけのこの切り方とおすすめの食べ方
- 姫皮・穂先
- 中央部・根元
- 新鮮なたけのこを上手にアク抜きしておいしく食べよう
新鮮なたけのこを手に入れ、すぐにアク抜きをしよう
たけのこは、切り取ってから時間が経つほどにアクが出てきます。なるべく新鮮なたけのこを手に入れ、持ち帰ったらすぐにアク抜きをするのがポイントです。
<新鮮なたけのこの見分け方>
形 | ずっしりと重くずんぐりした形 |
皮 | つやがあって薄茶色 |
穂先の色 | きれいな黄色 ※緑や黒っぽい色になっているものはえぐみが強くなっている
|
根元の切り口 | 白くてみずみずしい ※赤いイボが少ないものほどやわらかい
|
たけのこのアク抜きの手順を覚えよう
たけのこを手に入れたら、なるべく早めにアク抜きをすることが大切です。時間はかかりますが、きちんとアク抜きをすれば、よりおいしく食べられます。基本のアク抜きについて、手順を追って解説していきます。
アク抜きにかかる時間と準備するもの
アク抜きには約1時間の茹で時間に加えて、冷ます時間が必要となります。一晩じっくり時間をかけて冷ますのが理想です。
材料はたけのこ1本に対して、米ぬか1/2カップ、赤唐辛子1本程度を使います。たけのこ全体を寝かせて入れられる大きさの鍋を用意してください。
手順1.たけのこを切る~鍋に入れる
次に、写真のように、たけのこの頭から根元に向かって包丁を入れ、深さ2cm程度の切れこみを作ってください。切れこみが入ることでアクが抜けやすくなり、火の通りも良くなります。
そして、表面の皮を2、3枚むき、さっと洗いましょう。穂先約5cmと硬い根元の部分を切り落とします。このとき、根元にあるイボが紫色になっていたら、そぎ落としましょう。
鍋にたけのこを寝かせて、米ぬかと赤唐辛子も一緒に入れてください。たけのこ全体が浸かる量の水を注いだら準備完了です。
手順2.火にかける~冷ます
たけのこが浮かないように落としぶたをしてから強火で茹で始め、沸騰したら、ふつふつ沸く程度の弱火に調節します。時々アクを取りながら、約1時間かけて茹でます。
途中でお湯が減ってきたら、水を注ぎ足し、たけのこ全体がお湯に浸かった状態を保ってください。1時間ほど茹でたら、たけのこの根元に竹串を刺してみましょう。スッと刺さったら火が通っている証拠。火からおろして、たけのこを鍋に入れたまま常温になるまで冷まします。
手順3.皮をむく~不要な部分を切り落とす
十分にたけのこが冷めたら、ぬかを洗い流しましょう。切れこみから皮を5枚ほどむきますが、穂先はさらに皮をむいてください。
片方の手でたけのこの根元をしっかり握ったら、もう一方の手で穂先部分をひねりながら引っ張ります。そうすると、スポンと皮がはずれます。最後に穂先1cmほどの硬い部分を切り落としてください。
たけのこのアク抜きで失敗しないための3つのポイント
たけのこのアク抜きには時間がかかりますが、ポイントを押さえれば決して難しくはありません。この項ではアク抜きについて覚えておくと良いことをまとめました。アク抜きする前にぜひチェックしてくださいね。
1.新鮮なうちにアク抜きをする
たけのこには「掘り始めたら、お湯を沸かしておけ」という言葉があるほどで、なるべく速やかにアク抜きをするのが良いとされています。たけのこは、土から掘り出した後、時間が経つほどに硬くアクも強まる傾向にあります。特に皮がついたたけのこはアクが出やすく、それがえぐみの元となってしまうのです。
2.アクとえぐみをシャットアウトする
たけのこのアクやえぐみの原因となるのはシュウ酸という成分です。これに米ぬかのカルシウムが作用することで、えぐみを感じにくくなると言われています。また、赤唐辛子には米ぬかの臭みをやわらげ、味をクリアにする役割があります。米ぬかが手元にない場合は、米のとぎ汁や、ひとつかみの生米でも代用できます。その場合は無洗米以外を使ってください。
3.ゆっくり時間をかけて茹で、冷ます
たけのこのアクやえぐみは、じっくりと時間をかけて茹でて、温度が冷めるまでの工程を経て徐々にとれていきます。茹でたたけのこは、必ず茹で汁に浸けたままの状態で冷ますのがポイントです。強火で急いで茹でたり、流水などで急速に冷やしたりすると、アクがきちんと抜けません。
また、米ぬかに含まれるアミノ酸や脂肪分によって、たけのこの繊維がやわらかくなりうまみが引き出される効果も期待できます。時間はかかりますが、しっかりアクを抜くことでたけのこが本来持っている甘みや良い香りが楽しめるのです。
たけのこの主な栄養素
たけのこは食物繊維が多いのが特徴です。ヘルシーで整腸作用があり、ダイエット中の人にもおすすめの食材と言えるでしょう。ここでは、たけのこが持つ栄養素について紹介します。
疲労回復や集中力アップが期待できるチロシン
たけのこを茹でると現れる白い粒状の物質。これはチロシンというアミノ酸の一種で、たけのこに含まれる代表的なうまみ成分です。ブドウ糖と一緒に摂取することで疲労回復に効果があると言われています。また脳を活性化させて、集中力を高める効果も期待できます。
体の水分バランスを整えるカリウム
たけのこにはカリウムも豊富に含まれています。カリウムは体内の塩分の吸収を抑制して排泄を促すため、高血圧の改善にも効果があると言われています。体内の水分バランスが整い、むくみの緩和も期待できるでしょう。
腸を刺激して排便を促す不溶性食物繊維
たけのこには硬めの筋が通っていますが、これは食物繊維が豊富なことの表れです。たけのこに主に含まれるのは不溶性食物繊維のセルロースです。セルロースには水分を含むと腸内で膨らむ性質があり、これが腸を刺激して排便を促すので、便秘の改善が期待できると言われています。
低カロリーで低糖質
たけのこは生食ができないため調理が必要ですが、カロリーは100gあたり26kcalとヘルシーな食材であると言えます。糖質の量も100gあたり2.2gと比較的少ないので、ダイエット中の人にもおすすめです。
たけのこの風味をキープする2つの保存術
たけのこのアク抜きができたら、おいしさを逃さない工夫をして保存しましょう。ここでは、たけのこを上手に保存するコツを紹介します。
1.たけのこを4つの部位に分ける
たけのこは、味と食感が異なる4つの部位に分けられます。上から順に姫皮、穂先、中央部、根元と呼ばれ、姫皮から根元に向かって徐々に硬さやアクを感じやすくなります。部位によっておいしく食べられる切り方や料理の仕方も変わってくるので、アクを抜いたら4つの部位に切り分けておくと良いでしょう。
2.おいしさを保って冷凍する
茹でたたけのこを冷凍すると筋っぽさが気になったり、水分が抜けてパサパサになったりしがちです。たけのこ本来のおいしさを保ちながら冷凍するコツは、繊維をしっかり断ち切るように薄く切ることと、水分を逃さないようにすること。タッパーやジッパー付きの袋などを使い、だし汁に浸した状態にするか、砂糖をまぶすかしてから冷凍するのがおすすめです。冷凍した場合、約1ヵ月間おいしく食べられます。
部位別・たけのこの切り方とおすすめの食べ方
たけのこは部位によってやわらかさや味わい異なります。それぞれの特徴を活かした切り方、適した調理法で楽しみましょう。
姫皮・穂先
姫皮とは、たけのこの外皮をむいた先端の内側部分のこと。色味がきれいで、やわらかな食感が特徴です。おすすめは千切りにして、酢の物や和え物にしたり、味噌汁やお吸い物に入れたりする食べ方。
穂先は姫皮の下の部分で、こちらもやわらかさがあります。穂先部分を切り分けたら、まな板に立てて十字に包丁を入れるくし切りにしましょう。素揚げや天ぷらの他、炊き込みご飯にもぴったりです。
中央部・根元
中央部は、ほど良い歯ごたえがある部分です。シャキシャキとした食感を楽しめるようにイチョウ切りや短冊切り、乱切りにしましょう。煮物や焼き物、ちらし寿司の具などにするのがおすすめです。
根元は繊維が密で硬さがあり、たけのこならではの味わいが存分に楽しめる部分です。薄切りやさいの目切り、千切にして炒め物や揚げ物、きんぴらなどにするとおいしく食べられます。
新鮮なたけのこを上手にアク抜きしておいしく食べよう
たけのこはしっかりとアク抜きをしてえぐみを押さえれば、外皮以外はほとんど食べられるうえに、部位によってさまざまな味や食感を楽しめる食材です。コツを押さえて冷凍すれば、約1ヵ月間おいしく食べられます。この記事を参考にして、ぜひ旬の味覚を堪能してくださいね。
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