冷凍魚のおいしい解凍方法。今すぐ実践できる種類別のコツや冷凍方法も紹介
冷凍販売されていることも多い魚介類。冷凍魚をおいしく料理するには、魚の風味や質を損なわない適切な解凍方法を選ぶことが大切です。冷凍魚のおもな解凍方法と特徴、魚の種類に合わせた解凍のコツ、おいしさを保つ冷凍方法を解説します。魚を冷凍・解凍する際の参考にしてみてください。
冷凍魚をおいしく解凍する方法5つ
冷凍魚を解凍するには、冷蔵庫内で解凍する、流水で解凍するなどの方法があります。ゆっくり解凍したほうが味の劣化は少ないものの、かかる時間は長くなります。用途や時間の余裕によって使い分けると良いでしょう。最初に冷凍魚のおもな解凍方法5つを紹介します。
1. 冷蔵庫解凍:5~6時間
冷蔵庫解凍は、冷蔵庫に冷凍魚を入れてゆっくり解凍する方法です。ドリップがあまり出ず、味の劣化も少ないのがメリット。ドリップとは冷凍によって壊れた細胞から染み出した、赤い色をした組織液のことです。うまみや栄養を多く含むので、ドリップの量が少ないほどおいしさが保てるでしょう。
一方で、冷蔵庫内の低い温度で解凍するため、時間がかかるのがデメリットと言えます。解凍にかかる時間の目安は約5~6時間です。冷凍魚を指で押してみて、少しへこむ程度になれば調理できます。
2. 塩水+冷蔵庫解凍:約2時間
塩水+冷蔵庫解凍は、海水魚を海水と同じ塩分濃度(3%)の塩水につけてから、冷蔵庫で解凍する方法です。海水と同じ濃度の塩水につけることで、ドリップが流れ出にくくなり、色持ちも良くなります。冷蔵庫解凍よりは時短できるため、時間がない時にも便利です。
解凍に使う塩水の目安は、37℃前後の水1Lに塩大さじ2の割合で加えたもの。刺身の場合は、塩水に1分つけて水分を拭き取り、キッチンペーパーで包み冷蔵庫の下段で約20分解凍します。ブロックの場合は、塩水に5分つけて水分を拭き取り、キッチンペーパーで包み冷蔵庫の下段で約1時間~1時間半解凍しましょう。
3. 氷水解凍:約1時間
氷水解凍は、たっぷりの氷水にパックした冷凍魚を沈めて解凍する方法です。魚は0℃~マイナス3℃で凍り始めるのに対し、氷水の温度は約1℃。魚が凍り始める温度で解凍できるため、ドリップを減らし、うまみ成分の流出を抑えられます。水は空気より熱伝導率が良いため、低温でも早く熱が伝わり解凍が早くなるでしょう。
解凍時間の目安は約1時間です。冷凍魚が浮いてくる場合は、皿などを上に置き全体が氷水に触れるようにすると、早く解凍できます。比較的短時間で解凍でき、冷凍魚の劣化も防げるのでおすすめです。
4. 流水解凍:20~30分
流水解凍は、ジッパーバッグに冷凍魚を入れ、ボウルの中で流水をかけ続けて解凍する方法。比較的短時間で解凍できるので、急いでいる時に便利です。ただし、魚に直接水がかかるとふやけたり、栄養やうまみが流れ出たりしてしまいます。ジッパーがしっかり閉じているか確認してから解凍しましょう。解凍にかかる時間の目安は約20~30分です。
5. 電子レンジ解凍:100gで約30秒
電子レンジ解凍は、電子レンジの解凍モードを使って解凍する方法です。解凍方法の中でも一番短時間でできるので、急いで解凍したい時に役立ちます。一方で、解凍ムラができやすいのがデメリットです。冷凍した魚を今すぐ調理したい場合の最終手段にすると良いかもしれません。
加熱時間の目安は、冷凍魚100gに対し約30~40秒。最初は加熱時間を短めに設定して、様子を見ながら追加で加熱をします。途中で魚の向きや上下を変えて、解凍ムラができないよう工夫すると良いでしょう。
【種類別】魚介類をおいしく解凍するコツ
冷凍魚の状態や食べ方に合わせて解凍方法を変えると、おいしさを保ったまま解凍できます。刺身や切り身、スーパーで手軽に買えるシーフードミックスなど、種類別に解凍方法を見ていきましょう。
刺身の解凍
刺身など生で食べる食材はドリップを出さないように、冷蔵庫解凍や塩水+冷蔵庫解凍、氷水解凍がおすすめです。ドリップにはうまみが含まれているので、流れ出ると味や食感が悪くなってしまいます。また、ドリップは生臭さの原因にもなります。冷蔵庫解凍には時間がかかるので、夕食に利用する場合はその日の朝に冷蔵庫に入れておけば、夕方には解凍できているでしょう。
切り身の解凍
冷凍した切り身を調理して食べる時は、流水解凍や氷水解凍がおすすめです。魚の解凍時間は大きさによっても変わりますが、切り身だと1尾まるごとよりも短時間で解凍できます。冷凍切り身を長時間冷蔵庫に入れておくと、完全に解凍されて、ドリップが出すぎて臭みを感じることも。ドリップが出ていない半解凍状態だと生臭くなく、おいしく料理できます。
シーフードミックスの解凍
シーフードミックスは塩水につけて解凍するのがおすすめ。海水と同じくらいの塩分濃度の水につけることで、水分やドリップが流れ出るのを防げます。縮まず、うまみたっぷりのプリプリ食感になるでしょう。
解凍方法はシーフードミックス150gに対して、6gの塩を溶かした1カップの水を準備します。目安は夏なら30分、冬なら1時間程度を目安に塩水につけて解凍を。時間が経ったらペーパータオルで拭いて料理に使います。
冷凍した魚を解凍する時の注意点
冷凍魚をおいしく解凍するコツが分かっても、冷凍したまま調理できないのか、解凍後に残った場合はどうしたら良いのかなど迷うこともあるかもしれません。続いては冷凍魚を解凍した際の注意点を説明します。
干物や味付きの冷凍魚は凍ったまま焼くのがおすすめ
干物はもともと水分が抜けていてドリップが少ないため、凍ったまま調理してもおいしく食べられます。解凍状態が悪いとドリップが出てしまうので、凍ったままじっくり弱火で焼くのがおすすめです。塩鮭など味をつけて冷凍した魚も、水分が抜けてドリップが出にくいため、解凍せずに焼いてもおいしさが保たれるでしょう。
生魚は解凍してから調理する
生魚の場合は、凍ったまま焼いたり煮たりすると水っぽくなってしまいます。ドリップが出てうまみがなくなる上に、生臭さを感じることがあるので、解凍してから調理するのがおすすめです。調理する際はショウガ・酒などで臭みを消す工夫をすると、より臭い防止になるでしょう。
一度解凍したら、再冷凍しない
一度解凍した冷凍魚は食べ切れなかったとしても、再冷凍は避けます。解凍の際にどうしてもドリップが出るので、冷凍や解凍を繰り返すとうまみが抜け、食感も悪くなってしまいます。また食中毒の危険性も高まりますので、解凍する際は必要に応じて食べ切れる分だけ解凍しましょう。
魚のおいしさを保つ冷凍方法もチェックしよう!
冷凍魚をおいしく食べるには解凍方法だけではなく、冷凍する際の処理も大切です。最後に買ってきた魚をおいしく冷凍する方法を紹介します。
切り身の冷凍
<冷凍方法>
1. 切り身に塩をまぶして少しおき、表面に出てきた水分をキッチンペーパーなどでしっかり拭き取る
2. 一切れずつぴったりラップに包んで、冷凍保存袋に入れて冷凍する
1. 切り身に塩をまぶして少しおき、表面に出てきた水分をキッチンペーパーなどでしっかり拭き取る
2. 一切れずつぴったりラップに包んで、冷凍保存袋に入れて冷凍する
できるだけ早く冷凍するのがおいしさキープのコツ。冷凍庫に急速冷凍機能がない場合は、金属のトレイに乗せると早く冷凍できます。保存期間は約2週間です。
一尾まるごとの冷凍
<冷凍方法>
1. 傷みやすい頭、エラ、ウロコ、内臓は取り除いて水洗いする
2. 1匹ずつピッタリとラップに包んで、冷凍保存袋に入れて冷凍する
1. 傷みやすい頭、エラ、ウロコ、内臓は取り除いて水洗いする
2. 1匹ずつピッタリとラップに包んで、冷凍保存袋に入れて冷凍する
解凍後に用途が決まっている場合は、ラップに包む前に三枚おろしなどにしておくと便利。保存期間は約2週間です。
刺身の冷凍
刺身用として売られている魚のうち、サクで購入したものは、切り身と同じ方法で冷凍保存できます。既に一切れずつ切り分けられている刺身は、空気に触れる面積が大きく味が劣化しやすいので、冷凍しないほうが無難。傷みやすい青魚(イワシ、アジ、サンマ、サバ)も冷凍には不向きです。食べ残ったものや傷みやすい魚は、しょうゆや酒、みりんを使ってヅケにして、翌日中に食べ切りましょう。
冷凍魚の解凍方法に気をつけておいしい魚介料理を食べよう
冷凍魚をおいしく食べるには、魚の状態や種類、食べ方やメニューに合わせて解凍方法を選ぶことが大切です。冷凍方法も工夫して、おいしい魚料理を楽しみましょう。
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おさかなコーディネーターに聞いた、おいしい魚の選び方に関する記事も参考にしてみてください。