ポイントは「旬」だけじゃない!?目からウロコの魚の選び方
日々のお買い物で意外と難しいのが「お魚選び」。せっかくならおいしい魚を食べたいけれど、どれを選んだらいいかよくわからない…。結局、同じ魚を選んでしまう…。なんてことはありませんか?今回は、おさかなコーディネーターのながさき一生さんに、おいしいお魚の選び方とお家での保存方法を聞きました。「え?そうだったの?」という目からウロコの情報満載です!
おさかなコーディネーター:ながさき一生さん
3月~5月においしい魚
「旬=おいしい」とは限らない!?
魚売り場では「今が旬」と謳われている魚に出会うことがありますが、実は「旬=おいしい」とは限らないそう。これって、どういうことなんでしょうか?
「魚の場合は、一言に『旬』と言ってもその意味合いは様々。『サンマは秋に脂がのる』というように、最も美味しい季節を指すだけではありません。『鍋に合うから冬が旬』という場合や『漁の最盛期』を指す場合もあります。
また、『同じ魚でも美味しい季節が地域によって違う』ということも。
さらに複雑なのが、『昔と今では考え方が異なる』という点です。昔の日本人は脂を好まなかったので、脂が抜ける季節を『旬』と呼ぶことが多くありました。分かりやすいのは、春が旬の初ガツオ。脂があるのは、秋の戻りガツオの方ですが、昔はスッキリとした味わいの初ガツオの方が価値が高いとされました。
このように、魚で『旬』と言った場合、とても複雑で『旬=おいしい』とは限らないのです。」
では、ながさきさんのお話を踏まえて、今が旬の魚、おいしい魚をご紹介します!
「魚の場合は、一言に『旬』と言ってもその意味合いは様々。『サンマは秋に脂がのる』というように、最も美味しい季節を指すだけではありません。『鍋に合うから冬が旬』という場合や『漁の最盛期』を指す場合もあります。
また、『同じ魚でも美味しい季節が地域によって違う』ということも。
さらに複雑なのが、『昔と今では考え方が異なる』という点です。昔の日本人は脂を好まなかったので、脂が抜ける季節を『旬』と呼ぶことが多くありました。分かりやすいのは、春が旬の初ガツオ。脂があるのは、秋の戻りガツオの方ですが、昔はスッキリとした味わいの初ガツオの方が価値が高いとされました。
このように、魚で『旬』と言った場合、とても複雑で『旬=おいしい』とは限らないのです。」
では、ながさきさんのお話を踏まえて、今が旬の魚、おいしい魚をご紹介します!
<3月~5月が旬の魚>
春の魚の代表格・真鯛:
漁の最盛期と意味合いで春が旬です。色合いが華やかで「おめでたい」という意味合いからも春にぴったりな魚といえるでしょう。ただし、味わいとしては、産卵期で身の栄養が落ちる個体が多いため、流通している天然真鯛は全体的にやや淡白になります。
脂を求めるのであれば、むしろ身に栄養が行き渡る秋冬がオススメです。特に秋の真鯛は、「もみじ鯛」の相性で親しまれ、脂がのっているものが多く流通します。真鯛と同じように、サワラも、春が旬の魚ですが、脂が乗るのは冬です。
漁の最盛期と意味合いで春が旬です。色合いが華やかで「おめでたい」という意味合いからも春にぴったりな魚といえるでしょう。ただし、味わいとしては、産卵期で身の栄養が落ちる個体が多いため、流通している天然真鯛は全体的にやや淡白になります。
脂を求めるのであれば、むしろ身に栄養が行き渡る秋冬がオススメです。特に秋の真鯛は、「もみじ鯛」の相性で親しまれ、脂がのっているものが多く流通します。真鯛と同じように、サワラも、春が旬の魚ですが、脂が乗るのは冬です。
<3月~5月においしい魚>
アジ:
アジは1年中流通しており、育っている環境の違いや養殖ものがあるなどの関係で美味しくなる季節も様々です。ただ、全体的な傾向としては、春から夏にかけて栄養を蓄えて、脂がのり味もしっかりするものが多い傾向があります。味わいもスッキリ目で暖かくなる季節にも食べやすいため、美味しく食べられる季節ともいえます。
イサキ:
夏が産卵期で、その前に栄養を蓄えるためか晩春から初夏にかけて美味しくなる魚です。漁もこの頃が最盛期。脂がのっていてうま味もあり、味がしっかりしている白身なので調理方法も万能。特に、お刺身や塩焼きは冷や酒とも合い、春にピッタリなペアリングとして楽しめます。
アジは1年中流通しており、育っている環境の違いや養殖ものがあるなどの関係で美味しくなる季節も様々です。ただ、全体的な傾向としては、春から夏にかけて栄養を蓄えて、脂がのり味もしっかりするものが多い傾向があります。味わいもスッキリ目で暖かくなる季節にも食べやすいため、美味しく食べられる季節ともいえます。
イサキ:
夏が産卵期で、その前に栄養を蓄えるためか晩春から初夏にかけて美味しくなる魚です。漁もこの頃が最盛期。脂がのっていてうま味もあり、味がしっかりしている白身なので調理方法も万能。特に、お刺身や塩焼きは冷や酒とも合い、春にピッタリなペアリングとして楽しめます。
スーパーでの魚の選び方
魚を買う場合、刺身、切り身、1匹まるごとなどさまざまな形で売られていますが、それぞれに選び方のポイントがあります。
刺身の選び方
身は魚を細かく切っている状態なので空気に触れる部分が多く、その分劣化も早くなります。そのため、できるだけ切りたてのものを選ぶのがポイント。
スーパーであれば品出しをしている場面に出会えたらラッキー。開店直後や夕方など、よく行くスーパーの品出しの時間を把握しておくのもおすすめです。
スーパーであれば品出しをしている場面に出会えたらラッキー。開店直後や夕方など、よく行くスーパーの品出しの時間を把握しておくのもおすすめです。
まず注目すべきはラベル。「加工年月日」ができるだけ新しいものを選びましょう。
マグロの刺身の選び方
食卓にも登場機会が多いマグロのお刺身。白い筋が見えるものは口に入れたときに気になるので、筋が少ないものを選びましょう。
切り身の選び方
焼き魚や煮魚をするときに便利な切り身。切り身にも選ぶポイントがあります。
部位で選ぶ
魚は部位によって脂の乗り方が異なります。そのため、切り身を購入するときは好みや調理法によって部位を選ぶようにしましょう。
写真のように頭側と尾側に分かれている場合、脂が乗っているのは右の頭側です。尻尾側は骨が少なくて味もさっぱりめで食べやすいといえます。
魚は背側(水面に近い方)が黒く、腹側(海底に近い方)が白く見えることが多いです。切り身の魚が写真のように背側(皮が黒っぽい)と腹側(皮が白っぽい)に分かれている場合、脂が乗っているのは腹側(白っぽい方)です。腹側は脂を活かしてジューシーに仕上げたい塩焼きや煮物に、背側はしっかりとした肉を活かして仕上げたい味付きの焼きものや炒め物に向いているといえます。
魚の大きさで選ぶ
一般的に、魚は大きく太っている方が脂が乗っていておいしいとされています。
スーパーでは丸ごと1匹を見ることは難しいことが多いですが、切り身からその魚の大きさを推察することは可能です。
スーパーでは丸ごと1匹を見ることは難しいことが多いですが、切り身からその魚の大きさを推察することは可能です。
このように切り身を見た場合、背から腹までの長さが長いほど大きな個体となります。
また、腹側の内臓が入っている部分のくぼみが大きいほど頭の方に近いので脂が多めです。
また、腹側の内臓が入っている部分のくぼみが大きいほど頭の方に近いので脂が多めです。
丸ごと一匹買う場合の選び方
写真を見て、皆さんならどちらを買いますか?
新鮮なのは上。色がはっきりしていてつやがあります。
しかし、実は脂が乗っているのは下のサンマです。
魚は太っても頭の大きさは変わりません。そのため、頭が小さく見えます。
下のサンマは頭の上から太くなっていて、顔が小さく見えるのが分かりますよね?
このケースではフレッシュなサンマを食べたいなら上、脂が乗っているサンマを食べたいなら下を選ぶということになります。
新鮮なのは上。色がはっきりしていてつやがあります。
しかし、実は脂が乗っているのは下のサンマです。
魚は太っても頭の大きさは変わりません。そのため、頭が小さく見えます。
下のサンマは頭の上から太くなっていて、顔が小さく見えるのが分かりますよね?
このケースではフレッシュなサンマを食べたいなら上、脂が乗っているサンマを食べたいなら下を選ぶということになります。
魚の保存方法
魚は鮮度も味を決める大事な要素です。保存する場合は買い方と保存方法に気を付けましょう。
日持ちがする魚を選ぶ
魚には新鮮な方が好まれるものと、置いておくことで熟成度が増し、おいしいと感じる人が多くなるものがあります。
もし、買ってからすぐに食べられないのであれば、熟成に向く魚を選ぶようにしましょう。
ただし、熟成とはいえ、そのまま冷蔵庫で保存する場合は、購入から3日程度までを目安に食べてください。
日持ちのする魚:ブリ、サーモン、マグロなど
もし、買ってからすぐに食べられないのであれば、熟成に向く魚を選ぶようにしましょう。
ただし、熟成とはいえ、そのまま冷蔵庫で保存する場合は、購入から3日程度までを目安に食べてください。
日持ちのする魚:ブリ、サーモン、マグロなど
より良く保存する
魚を保存するときのポイントは水分を抜くことです。塩焼きなど用途が決まっている場合は先に塩を振ってから保存をすると水分が抜けるので◎
一匹丸ごとを保存する場合は必ず先に内臓を取りましょう。
一匹丸ごとを保存する場合は必ず先に内臓を取りましょう。
保存の仕方
1 水気を拭く
キッチンペーパーで表面の水気を拭きとります。
2 キッチンペーパーで包む
水気を拭いた魚をキッチンペーパーで包みます。
3 保存袋に入れ、空気を抜く
ラップに包むと余分な水分が抜けなくなってしまうので、ラップには包まずに保存袋に入れます。
軽く空気を抜いて冷蔵庫に入れましょう。冷凍する場合は、キッチンペーパーを取ってから冷凍庫に入れましょう。
軽く空気を抜いて冷蔵庫に入れましょう。冷凍する場合は、キッチンペーパーを取ってから冷凍庫に入れましょう。
おいしい魚をたくさん食べましょう
いかがでしたか?今まで、値段や大きさ、旬という言葉だけで選んでいた魚選びについて、基本を知るとスーパーでのお買い物も楽しくなりますね♪また、もしも、普段は見かけない魚が置いてあったら、天然ものが多いそうなので、見かけたタイミングで買ってみるのもおすすめだそうです。選び方や保存が難しい印象がある魚ですが、刺身なら生のまま、切り身や干物なら焼くだけ、また、種類や調理方法によっては煮魚や献立に合わせてバリエーションもグーンと広がるので、ぜひ積極的に魚を取り入れてみてくださいね。
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2006年からは、水産庁公認「浜の応援団」である「さかなの会」を主宰し、食べる魚に関するイベントを多数開催。