生姜|保存方法を見直して鮮度をキープ! 選び方や栄養素&効果にも注目
血行促進などの体を温める効果や殺菌作用など、料理でも何かと重宝する生姜。栄養素も多く含むため、積極的に活用したい優秀な食材ですが、うまく保存できずにダメにしてしまった経験はありませんか?本記事では、生姜の鮮度を保つ方法を中心に、生姜を上手に活用するための情報を紹介していきます。これを知れば、もう使いかけの生姜がカピカピになることはありませんよ!
- 新鮮な生姜を見分けるポイントは大きさ
- 生姜の保存方法
- 冷蔵保存:水漬けでみずみずしさを1カ月キープ
- 冷蔵保存:ペーパータオル+アルミホイルの二重包み
- 冷凍保存:いろんな切り方&おろし冷凍で料理にちょい足し
- 生姜の香りや辛み成分の持つパワー
- 香り成分:食欲増進や疲労回復などさまざまな働きをする栄養素
- 辛み成分:免疫機能をサポートする栄養素
- ジンゲロールは加熱や乾燥によってショウガオールへ変化する
- 生の生姜の効果・効能
- 血行を促進する
- 肉をやわらかくする
- 加熱した生姜の効果・効能
- 体の深部を温める
- 肉や魚の臭みを消す
- ショウガオールを多く含む、乾燥生姜の作り方
- 【生姜】4つの豆知識
- 1.おろし金に対して垂直にすりおろすと繊維が残らない
- 2.皮つきのまま食べるのがおすすめ
- 3.生姜の芽は食べられる
- 4.栄養価の高い葉生姜もおすすめ
- 生姜の扱い方を見直して、新鮮な美味しさを味わおう
新鮮な生姜を見分けるポイントは大きさ
生姜を長く保存しながら使うためには、新鮮な生姜を選ぶことが大事です。鮮度を見分ける一番のポイントは、ふっくらと大きくてハリがあること。切り口が乾燥していない、傷が多くないかどうかもチェックしてください。大きい生姜は皮むきが簡単なので、調理もしやすいです。
生姜の保存方法
生姜は保存の仕方を工夫すれば、新鮮な状態を長く保てます。また、冷蔵も冷凍もでき、下処理をしておけばすぐに使えて便利です。用途によってさまざまな保存方法を試してみてください。
冷蔵保存:水漬けでみずみずしさを1カ月キープ
生姜を水漬けすることで表面の乾燥を防ぎ、みずみずしさを約1カ月間も保つことができます。ちなみに、生姜農家では生姜の乾燥を防ぐためを土付きのまま保存しているそうです。ここでは、家庭で簡単にできる水漬けの方法を紹介します。
生姜を水洗いし、タッパーやガラス瓶などの保存容器にかぶるくらいの水を注いでふたを閉じ、冷蔵庫の野菜室で保存します。水は2~3日おきに取り替えるのがポイント。丸ごとの生姜はもちろん、使いかけのものやスライス状のものでも、この保存方法は使えます。
生姜を使うときには、その都度水の中から取り出し、カット面は薄く切り落として使用してください。
冷蔵保存:ペーパータオル+アルミホイルの二重包み
冷蔵保存の方法は他にもあります。
そのまま冷蔵保存する際にもポイントがあります。カビの原因となる生姜から出る水分を吸収するためにペーパータオルとアルミホイルで二重に包みましょう。よく洗ってから水気を拭いた生姜をペーパータオルに包み、アルミホイルで覆ってから野菜室で保存してください。
冷蔵庫の野菜室で1ヵ月保存可能ですが、3日ごとにペーパータオルを交換する必要があります。
冷凍保存:いろんな切り方&おろし冷凍で料理にちょい足し
千切り、薄切り、みじん切りなど料理に合わせた切り方をしてから、冷凍するのもおすすめです。薬味にしたり、酢の物と和えたりしてすぐ食べられます。
生姜を切ったらペーパータオルで水気をしっかり拭き取り、1回分ずつに分けてからラップで空気が入らないように包み平らに薄く広げて、冷凍用保存袋に入れます。
冷凍庫で約3週間保存でき、凍ったままで使うことが可能です。皮付きのしょうがを冷凍保存しておき、解凍せずにそのまますりおろして使うこともできますよ。
生姜の香りや辛み成分の持つパワー
生姜は、ビタミンB1・B2、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カルシウム、マグネシウム、カリウム、リン、ナイアシンなどの栄養素を含みます。さらに注目すべきは、生姜の特徴でもある辛みや香りの成分。健康をサポートしてくれる、生姜のパワーを紹介します。
香り成分:食欲増進や疲労回復などさまざまな働きをする栄養素
生姜には香り成分のシネオールやジンゲロールが含まれています。シネオールは食欲増進の働きがあるほか、疲労回復や消炎作用、夏バテ解消などに役立つと言われている成分です。
辛み成分:免疫機能をサポートする栄養素
辛み成分としては、ジンゲロールとショウガオールが含まれています。ジンゲロールは血中内の白血球を増やすことから、免疫機能をサポートすると言われる成分です。ショウガオールも血管を広げて体温を上げるため、代謝機能の向上が期待できます。
また、ジンゲロールには抗炎症作用があり、神経痛などの痛みを和らげるほか、肩こりや腰痛にも効果があると言われています。生姜に含まれるビタミンB1やB2も、粘膜や皮膚を正常に保つことで外敵の侵入を防ぐことに寄与してくれそうです。
ジンゲロールは加熱や乾燥によってショウガオールへ変化する
ジンゲロールは生姜を加熱したり乾燥させたりすると、酸化してショウガオールへ変化します。成分が変わると、得られる効果も変化します。
ジンゲロールは酸素に弱いので、空気に触れる時間をなるべく短くすることでより多く摂取できるでしょう。ショウガオールは100℃近い高温での長めの加熱によってしっかり増え、一度増えると冷めても減らないのが特徴です。
生の生姜の効果・効能
生姜は一般的に体をぽかぽかにしてくれるというイメージが浸透しているのではないでしょうか。実は生姜は、生や加熱、乾燥など状態によって成分が変化し、もたらされる作用や効果も変わります。ここでは、生の生姜にどのような効果が期待できるのかを解説します。
血行を促進する
生の生姜に多く含まれるジンゲロールには、血行を促進する作用があります。体が温まって血行促進の効果が期待できるので、血行不良によるむくみがあるときにもおすすめです。体に熱がこもったように感じるときは、生姜で体を温めてみてください。汗をかくことによって、体温を適切に調節することができます。
肉をやわらかくする
生の生姜は肉をやわらかくする酵素を含んでいます。肉の下ごしらえに使うと、肉料理をジューシーに仕上げることができますよ。覚えておくと便利なので、ぜひ試してみてください。
肉をやわらかくする生姜の裏ワザ (肉が250g程度の場合)
おろし生姜2かけを日本酒大さじ2で溶き、生の肉に塗り込んで、15分から30分ほど置きます。温度が低いと酵素の働きが弱まるので、室温に置くと良いでしょう。
おろし生姜2かけを日本酒大さじ2で溶き、生の肉に塗り込んで、15分から30分ほど置きます。温度が低いと酵素の働きが弱まるので、室温に置くと良いでしょう。
加熱した生姜の効果・効能
加熱した生姜は生の生姜と違った働きをしてくれます。加熱した生姜がどのように作用するかを解説します。
体の深部を温める
体の冷えには加熱した生姜が効果的です。生姜を加熱してできるショウガオールには、体を深部から温める作用があります。冷えが気になる場合、積極的に摂取すると良いでしょう。
温かいスープやカレーなどの煮込み料理に刻んだ生姜を加えて10分ほど加熱すると、より効果を期待できます。なお、ショウガオールの辛みは、変化前のジンゲロールより刺激が強くなるのが特徴です。
肉や魚の臭みを消す
生姜の辛み成分には臭い成分を包み込む効果があり、食材の臭みを消すためにも使われます。生の生姜よりも加熱や乾燥させた状態の方が消臭効果は強いとされています。魚や豚肉、レバーなどの臭みを消すのに活用すると良いでしょう。
ショウガオールを多く含む、乾燥生姜の作り方
生の生姜を乾燥させると、加熱したときと同様にショウガオールができます。
乾燥生姜の作り方
生姜を皮つきのまま繊維に沿って1~2mmの厚さにスライスし、100℃に予熱したオーブンで60分ほど焼きます。
タッパーやガラスの容器に乾燥材を入れて冷蔵庫で2ヵ月保存可能です。フードプロセッサーなどでパウダー状にすれば料理やドリンクに使いやすくなります。
生姜を皮つきのまま繊維に沿って1~2mmの厚さにスライスし、100℃に予熱したオーブンで60分ほど焼きます。
タッパーやガラスの容器に乾燥材を入れて冷蔵庫で2ヵ月保存可能です。フードプロセッサーなどでパウダー状にすれば料理やドリンクに使いやすくなります。
【生姜】4つの豆知識
ここで生姜にまつわる豆知識を紹介します。普段の生姜の扱い方や新しい食べ方が広がるかもしれません。ぜひチェックしてくださいね。
1.おろし金に対して垂直にすりおろすと繊維が残らない
生姜をきれいにおろすコツは、生姜をおろし金に垂直に当てて真っ直ぐにすりおろすことです。すりおろすとき、おろし金の上に繊維の筋がたくさん溜まってしまった経験がある方も多いのでは。生姜を斜めにすりおろしていくと、繊維が断ち切れずに残ってしまうためです。生姜をおろし金に垂直に当てることで繊維が切れやすくなります。
2.皮つきのまま食べるのがおすすめ
生姜はよく洗って皮ごと食べることをおすすめします。生姜の香りや辛み成分を多く含むのは皮の近くなので、皮つきで食べた方が無駄なく使えて栄養も摂れ、香りもよく立ちます。
ただし、皮つきのままだと色味が気になるときや、皮が固く乾燥しているなどの理由で皮を除きたい場合は、なるべく薄く皮をむくと良いでしょう。
それでもまだ皮が気になるときや、傷んだ部分を取り除きたいときは、スプーンの縁を使って薄くそぎ落とします。傷んだ部分を取り除くときも同様にスプーンで削ぎ落としてください。
3.生姜の芽は食べられる
生姜の芽から毒素は発生しません。むしろ、芽の出る生姜は、新鮮で元気な証拠とも言えるでしょう。芽の出ない生姜の方が劣化しやすく、カビや腐敗の可能性が高まるので、早めに使い切るのがおすすめです。
生姜の芽はやわらかく美味しいので、捨てずに三杯酢につけるなどして、ぜひ試してみてください。
4.栄養価の高い葉生姜もおすすめ
普段私達が良く口にするのは根生姜と呼ばれるものです。葉生姜とは、根生姜を3ヵ月位早めに収穫したものを指します。根生姜の旬は冬で、葉生姜の旬は5月~9月です。
葉生姜は根生姜よりもカリウム、カルシウム、ビタミンB2などを多く含んでいるとされます。根生姜に比べてみずみずしくやわらかいのが特徴で根生姜よりも辛みも少ないので、子どもでも食べやすいかもしれません。生のまま味噌をつけるか、甘酢漬けにして食べるのがおすすめです。
生姜の扱い方を見直して、新鮮な美味しさを味わおう
生姜は調理に役立ち、健康をサポートする効果が期待できる食材です。ここで紹介した選び方や保存方法、扱い方を実践すれば、今まで以上に生姜を効果的に使ったり無駄なく活用したりできるのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてくださいね。
生姜を使った鍋のアレンジもおすすめ!冬野菜の選び方ならこちらの記事も参照してください。