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クラフトビールの種類とそれぞれの特長とは?飲み方のコツや意外な楽しみ方もチェック!

クラフトビールの種類とそれぞれの特長とは?飲み方のコツや意外な楽しみ方もチェック!

クラフトビールとは、アメリカで定められた3つの定義に基づいて製造されたビールのこと。最近は日本国内でもクラフトビールの醸造所が増えつつあり、注目を集めています。クラフトビールの歴史や定義、種類とその特長、よりおいしく飲むコツや楽しみ方を紹介します。

クラフトビールとは? クラフトビールの定義と歴史

ビールと古い本
近年、日本でも注目されているクラフトビール。まずは、その定義と歴史について解説します。

クラフトビールの3つの条件

アメリカでは、以下の条件に当てはまる醸造所で造られたビールを、クラフトビールの定義としています。
1.小規模であること
2.独立していること
3.伝統的な原料や製法で製造していること
日本はもともとアメリカの定義に倣っていましたが、2018年に全国地ビール醸造者協議会(JBA)がクラフトビールの定義として、以下の条件を提唱しました。
<日本におけるクラフトビールの定義>
1. 大手メーカーから独立して運営されている事業者であること
2. 醸造者が徹底した管理の元、製造していること
3. 伝統的な製法、または特産品を原料として製造していること

クラフトビールと地ビールの違い

クラフトビールと地ビールの違いはほとんどありません。クラフトビールという呼び方は、2010年ごろから使われるようになりました。クラフト(Craft)には「職人技」という意味があり、ビールにかける思いが伝わる「クラフトビール」という名前を使う醸造所が増えています。

日本におけるクラフトビールの歴史

方位磁針と地球儀
1990年代に巻き起こった「地ビール」ブーム
日本では1994年、酒税法改正によりビールを醸造する免許を取得するのに必要な最低製造量が、年間2,000キロリットルから60キロリットルへと大幅に引き下げられました。これにより日本各地に小規模のビール醸造所が多数誕生し、小規模醸造所が造るビールは「地ビール」と呼ばれ、ブーム​が起こります。
2000年代から「地ビール」ブームが低迷
しかし新規参入してきた企業が造るビールの中には、品質が良いとは言えないものも多く、大量生産できないため値段も高いことなどから、廃業や撤退が相次ぎました。
2010年頃アメリカでクラフトビールブームが起こり、日本にも伝わる
2010年代になると、アメリカでクラフトビールブームが起こります。日本にもクラフトビールが参入。地ビールの淘汰の波を乗り超えたビール醸造所で、よりオリジナリティを追及するビール造りが始まり、このビールが「クラフトビール」と呼ばれるようになりました。
世界からも認められている日本のクラフトビール
アメリカで2年に一度開催され、「世界で最も権威のあるビールコンペティション」と称される「ワールド・ビア・カップ」では、日本の銘柄4本が金賞を受賞。
日本のクラフトビールはまだ市場規模が小さいものの、今後拡大する可能性を秘めています。

クラフトビールの種類と特長

醸造所のボイラータンク
クラフトビールは、ラガー・エール・自然発酵の3種類に大きく分類されます。それぞれの製法や味の特長を見ていきましょう。またそれぞれの代表的なビアスタイル(ビールの種類)も紹介します。    

クラフトビールの種類(1)ラガー

ラガー酵母による下面発酵で造られたもの。下面発酵とは、10℃前後で1週間ほど発酵させる製法のことで、酵母がビールの下面に沈むためその名で呼ばれています。雑味がなくスッキリとした味わいのビールに仕上がるのが特徴。日本で流通しているビールの99%を占めており、5℃前後で冷やして飲むとキレとのどごしを味わえます。
【代表的なビアスタイル】
ピルスナー・ボック・ドゥンケル・シュヴァルツ

クラフトビールの種類(2)エール

エール酵母による上面発酵で造られたもの。上面発酵とは、20℃前後で約3~5日発酵させる製法のこと。酵母がビールの上に浮き上がる現象が見られます。フルーティーで華やかな香りと飲みごたえがあるのが特徴です。香りやコク、味わいを楽しめる10℃くらいの温度で飲むのがおすすめです。
【代表的なビアスタイル】
ペールエール・IPA(インディア・ペールエール)・ヴァイツェン・スタウト

クラフトビールの種類(3)自然発酵

ごくわずかですが、自然発酵で造られたクラフトビールもあります。自然発酵とは、自然界に存在する自然酵母を利用して発酵させる製法を指します。例えば、空気中や樽などに付着した酵母を用いて発酵させるものがあります。
【代表的なビアスタイル】
ランビック

クラフトビールをよりおいしく飲む3つのコツ

グラスに注がれたビール
クラフトビールはビアスタイルごとに風味が異なります。それぞれの違いを楽しめる、クラフトビールをより美味しく飲むコツを紹介します。    

1. ビアスタイルごとに合うグラスで飲む

並べられたクラフトビール用のグラス
ビアスタイルごとに、特長やおすすめのグラスを紹介します。
ビアスタイル 特長 おすすめのグラス
ピルスナー 金色のラガービール 気泡の美しさを味わえる細長いグラス
ペールエール ・エール系
・イギリスやベルギーの定番スタイル
・ホップ由来のアロマとモルトの甘み、苦み、豊かな香りがバランス良く調和したスタンダードビール
・タンブラー
・パイントグラス
IPA ・エール系
・「インディア・ペールエール」の略称
・ホップのほどよい苦みを楽しめる
・グレープフルーツなどの柑橘類の香り(なかにはハーブのような香りが感じられるものもある)
IPA専用グラス
※太めの足がついたグラスで代用可能
ヴァイツェン ・エール系
・バナナのようなフルーティーな香り
・苦みが少なくやわらかな味わい
香りを楽しめる上部に膨らみのあるグラス
スタウト ・エール系
・ローストした麦芽に由来する黒色のビール
・きめ細やかな泡と香ばしいナッツやチョコレート、コーヒーのような風味
香りと苦みを調和できる、下部にくびれがあるグラス
フルーツビール ・自然発酵
・フルーツを漬け込んだり、果汁を加えたりして醸造した甘口のビール
フルーツビールの香りに合う華やかな見た目のグラス

2. 相性の良い料理と一緒に楽しむ

テーブルに並んだクラフトビールとフルーツ
ビールと相性の良い料理の組み合わせ、「ビールペアリング」を楽しみましょう。
<ビールペアリングの例>
・すっきりとした味わいのクラフトビール ✕ 白身魚や貝料理
・さわやかな香りのペーパーエール ✕ ハーブで香りを加えた肉料理
・スタウトなどの黒ビール ✕ 旨味たっぷりの煮込み料理
・IPA ✕ 辛みのある中華やエスニック料理
・フルーツビール ✕ 食後のスイーツとともに

クラフトビールと原産国の料理を合わせるのもおすすめです。

3. 香りや見た目を楽しんでから飲む

クラフトビールを飲む前には、香りと見た目を堪能しましょう。ワインのように軽くグラスを回すと香りが広がります。
何杯か飲むときは、淡い色のビールから濃い色へと飲み進めるのがおすすめ。味もアルコール度数も、色が濃くなるにつれ強くなるため、味わいの変化を楽しめます。

クラフトビールをお店以外でも楽しもう

屋外で乾杯している
コロナ禍の影響により、国税庁は飲食店に対して「期限付酒類小売業免許」の付与を認める措置をとりました。これによりクラフトビールを扱うビアバーや、ブルワリーパブ(醸造所兼飲食店)などでテイクアウトが可能になりました。
キャンプやバーベキューなどのアウトドアや、ホームパーティーにもおすすめ​です。特に、ややぬるめの10℃前後でおいしく飲めるエール系のクラフトビールはアウトドアにピッタリ。
テイクアウトの際は、炭酸が抜けないよう「グラウラー」と呼ばれる水筒や炭酸飲料に対応した真空耐熱ボトルを持参しましょう。通常の水筒にビールを入れると、中の圧力が高くなり破裂する危険があります。テイクアウトしたビールは、その日のうちに飲むようにしてくださいね。

クラフトビールを種類ごとにおいしく飲もう

クラフトビールの飲み比べを楽しむ女性達
クラフトビールはラガー、エール、自然発酵の3種類があり、IPAやピルスナー、ヴァイツェンなどよく聞く種類もいずれかに分類されます。種類によっておいしい温度や、合わせる料理が変わるのも醍醐味。今回の記事で紹介したビアスタイルごとのグラスや、料理を参考にして、より豊かな風味を味わってみてください。
クラフトビールは、スーパーをはじめ、ディスカウントストアやリカーショップで販売されています。
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